3月11日の14時46分、筆者は自宅で原稿を執筆していた。ちょうど日経NETWORK 4月号の特集記事に追い込みをかけているところだった。そのとき、かなり大きな揺れを感じた。地震だ。しかもかなり大きな。テレビをつけて震度を確認する。東京は震度5弱だったが、筆者の実家がある宮城県はなんと震度6強ではないか。両親の安否を確認すべく電話をかけた。するとすでにNTT東日本により通話規制が敷かれていた。30分ほどかけ続けてみたが結局通話できなかった。とりあえず目の前の仕事を片付けるしかないと思い、原稿執筆に戻った。

 実家は内陸部の方なので沿岸部のような被害はないだろうと自分に言い聞かせつつも、早く安否は確認したい。そう悶々としながら、ひまをみては「災害用伝言ダイヤル」の171番に電話をかけた。両親が接触できるのは固定電話だけとにらんだからである。15日にようやく災害用伝言ダイヤルで両親の安否を確認し、一安心した。そして18日の早朝、向こうから電話がかかってきた。ついに直接通話できるようになったのだ。

 聞くところによると、17日の深夜に停電から復旧し、電話できるようになったという。電話回線には特に異常はなく、電力供給がなかったから電話が機能しなかったようだ。ただ、実家で使っているのはアナログ電話で、局側から給電されているため停電時にも使えることはよく知られている。では、なぜ停電時に通話できなかったのか。その理由を探ってみると、固定電話のタイプごとに停電による影響や停電への対策も様々であることに改めて気付いた。今後は原発事故による東京電力の計画停電(輪番停電)が続くことも予想されるため、固定電話のタイプと停電の関連についてまとめておくと役立つと考えた。

 以下に挙げるのは、NTT東日本およびNTT西日本で使われている主な電話システムの構成である。左側がNTTの網側・局舎側、右側がユーザー宅と見てほしい。以降、それぞれについて順に説明していく。


(1)アナログ回線---[メタル]---電話機
(2)アナログ回線---[メタル]---スプリッタ---電話機(ADSLと併用)
(3)ISDN---[メタル]---TA---電話機
(4)ISDN---[メタル]---ISDNルーター---電話機
(5)地域IP網(Bフレッツ)---[光]---ONU---ブロードバンドルーター---電話機(戸建てタイプ)
(6)地域IP網(Bフレッツ)---[光]---ONU---VDSL集合モデム---VDSLモデム---電話機(マンションタイプ)
(7)NGN---[光]---HGW(ひかり電話ルーター)---電話機(戸建てタイプ)

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