IT業界で仮想化,特に「サーバー仮想化」が大流行です。サーバー仮想化を使えば,ハードウエア・コストやデータセンターのコストは確実に下がりますし,条件によってはソフトウエアコストも下がります。Windows Server 2008 Enterpriseでは,仮想サーバー4台分のライセンスが無償で提供されています。

 筆者が所属するグローバルナレッジネットワークの社内でも。すでに仮想化が導入されています。たとえば,2008年夏にオンライン化した,受講者の皆様向けのアンケート・システムがそうです(一部コースを除く)。このアンケート・システムのWebフロントエンドはWindows Server 2003上で動作するVirtual Server 2005 R2を使って構築しています。その裏で働くデータベース・システムは,Windows Server 2008+Hyper-Vという最新の組み合わせで動作しています。この経験が読者の役に立つかと思い,簡単に紹介させていただきます。

まずはクリティカルではないシステムから仮想化を導入

 仮想化の対象とする最初のシステムとして,受講者アンケートを選んだのは2つの理由があります。

 第1の理由は,もし停止しても大きな影響がないことです。オンラインを開始する前は,マークシートを使ってアンケートを実施していました。現在も,パソコンを使わないコースでは,マークシートを使っています。マークシートの集計結果は,オンライン・アンケートと相互に運用できます。もしアンケート・システムが停止しても,マークシートでアンケートを収集しておけば,システムが復旧してからデータ入力が可能です。

 第2の理由は,大きな負荷がかからないことです。仮に全教室が満席になったとしても,1日の受講者は数百人です。実際にはすべて満席というのはあり得ませんし,コース終了時刻には多少のばらつきがあります。同時アクセスは最大でも100人,通常は数十人程度でしょう。

 一般に,仮想サーバーへ移行する最初のサーバーは,クリティカルな業務でないことと負荷が低いことが望ましいとされています。経験を積んでから,負荷の高いサーバーやクリティカルなサーバーを移行する方が安心です。

 もう少し詳細な構成を紹介しましょう。

フロントエンドはVirtual Server 2005上に2台の仮想Webサーバーを用意

 インターネットからアクセスさせるため,Webフロントエンドは境界ネットワーク上に物理サーバーを配置しました。ホストOSはWindows Server 2003で,その上にゲストOSとしてWindows Server 2003を2台搭載しています。このうちの1台は本番サーバーで,もう1台は評価・確認のためのステージング・サーバーです。ソフトウエアの最終テストはステージング・サーバーで行います。

 仮想化ソフトウエアはVirtual Server 2005 R2 SP1を使っています。Hyper-Vを使わなかったのは,手持ちのサーバーが旧式で,x64に対応していないからです。ここに書くには恥ずかしいくらい低いスペックなのですが,特に問題なく動作しています。

 仮想サーバーのディスクは容量可変ディスクを使っています。容量可変ディスクは,実際に必要な分だけ領域を確保するため,使用効率に優れています。書き込み性能は低いのですが,Webフロントエンドはディスクに対する書き込みをほとんど行わないので特に問題はないと判断しました。マイクロソフト社のWebサイトも,多くは容量可変ディスクを使った仮想サーバーだということです。

 バックアップは仮想サーバー全体を保存しています。Webフロントエンドにはデータベースのような日々更新される情報は置いていません。そのため,定期バックアップは取っておらず,ソフトウエアのバージョンアップ時にのみ手動でバックアップを実行しています。

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