筆者はメールをよく使います。企業の実務を預かるマネージャとしても,コンサルタントとしてもよく使っています。でも,それは「凄く多い数のメールを読み書きする」という意味ではありません。「メールの本質を理解して,うまく使う」という意味です。

 こういう筆者だから,企業で一緒に働くチームメンバーのメールはかならずチェックしています。メールは電話の代替として使われている面があり,メールまで細かくチェックしないマネージャも多いようですが,筆者は必ず見ています。

 なぜなら,チェックしたメールの中身に,「他人への配慮が不足した非常に危ない」ものがあったり,「自分の仕事をアピールする配慮がない,すごくもったいない」ものがあったりするからです。要は,「無配慮なメール」が多いということ。筆者はそういうメールが気になって仕方がないのです。

 では,それがどういうメールなのかを,具体例を使って説明しましょう。

 ある会社で中堅社員の久保君が,若手向けの教育セミナーを企画しました。久保君が苦労しながら頑張ったおかげで,セミナーは無事開催されました。そして,上司である小野寺課長は,当日のセミナーの成果をメールに書いて久保君に送りました。

無配慮なメールの例

件名:セミナーお疲れ様
システム開発課 久保主任殿

システム開発課長 小野寺です。

本日は若手向けのシステム開発手順のセミナーお疲れさまでした。終わった後の周囲の声を聞いたけど,「よかった」という声がほとんどでした。
アンケート結果で数値化すると思いますが,聞いててとてもよかった。

全体的に非常によかったと思う。これからもこの調子でよろしく願う。

以上

 このメールを皆さんはどう思うでしょうか。

  確かに,このメールでほめてもらって,久保君は嬉しいでしょう。でも,せっかくですから,もっとうまくほめるメールを書けば,久保君の今後の行動をさらに良くすることができるのです。以下,課題のポイントを列記します。

  1. 全体的に淡白
    このメールでは淡白すぎて,何をほめられているのかがよく分かりません。

  2. 具体的なところをほめていない
    また,具体的なところをほめていないので,強化(好ましい行為を繰り返すようになること)につながらず,成長という面で効果的なほめ方になっていません。

  3. 考え,行動など本人の努力をほめていない
    これも(2)と同様です。考え,行動などの次回につながるプロセスをほめていないので,強化につながっていません。

 細かいかも知れませんが,同じほめるメールでも,詳細なところで改善の余地があります。では,どのように直せば良いかを見てみましょう。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら