先日,地球環境イニシアティブ事務局員で,早稲田大学大学院生の三浦秀之さんが来社され,ブログなどのICT(情報通信技術)を活用した「費用最少×効果最大」の広報活動について相談を受けました。地球環境イニシアティブは,サッカー日本代表監督の岡田武史さんや,女優の竹下景子さん,元ヤクルトスワローズ監督の古田敦也さん,音楽評論家の湯川れい子さんなどを発起人に,「再生可能エネルギーを主体とした持続可能な世界の実現」を目指す公益団体です。

 まずは,来る3月23日に開催される第1回目のシンポジウムの告知と集客が,当初の目的だとお聞きしました。しかし,イベントの後は「グリーン電力の意義と具体的なアクション」をわかりやすく伝え,その普及に拍車をかけるような「ネット広報活動」を目指さねばなりません。

 そこで,私は,三浦さんはじめ学生ボランティアの手で,ゼロから,しかもシステム投資,運用コストゼロで始められるブログ活用法をアドバイスしました。具体的には,公益法人向けのCANPANブログを利用して,「地球環境イニシアティブのブログ」をたった1つ立ち上げ,3つのカテゴリーのリンク集と記事を充実させていくだけでいいのです。

危機を訴えるより今日から1人で始められるアクションを

 地球環境問題は,その深刻さゆえ,一歩間違うと「脅迫的」で「教条的」な伝え方になりがちです。今の「便利な暮らしを全否定」されて,「ライフスタイルを一から改めなくてはいけない」と強く言われるだけでは,誰も素直に耳を傾けてはくれないでしょう。また,地球環境問題はあまりに大きな問題ゆえ,危機とは知りつつ「自分だけ変わっても仕方がない」と諦めている人もいるかもしれません。誰もがそう思っていては「集団無責任」の状態が続いて,ますます問題は深刻化します。

 だからこそ,「これなら楽しい」「なるほどカンタン」「今日からできる」「自分一人で始められる」「少しずつでも大丈夫」と思っていただけるような「勧め方・広め方」が大切です。

 当コラムでブログ活用事例としてご紹介した映画「不都合な真実」は,エンディングやパンフレットで,すぐ始められるアクションがわかりやすく示されていました。しかし,映画の本編では,解決策よりもおそろしいデータや事実が中心に語られていたのです。個人的には,もっと「明るく」「楽しく」できるポジティブな話の比率が高い方が良いのでは?と思いました。

 そこで,地球環境イニシアティブでは,ぜひとも,そんな「明るく気楽なコンセプト」でブログを立ち上げて欲しいのです。

再生可能エネルギーを使っている企業を応援する5つの方法

 まず,一個人であっても,「やろうと思えば,今日からカンタンにゲーム感覚で始められる」アクションがあります。

 それは,志高く,再生可能エネルギーをいちはやく活用している企業を応援すれば良いのです。そんな企業が高成長高収益になり,経営が安定すれば,誰もが再生可能エネルギーを採用しはじめるでしょう。

 その代表的な方法は,次の5つです。別に全部を一度に始める必要はありません。できることから,得意なことから始めれば良いのです。

1)商品やサービスを買う

 なんと言っても,企業経営者にとって一番嬉しいのは,自社商品やサービスの売り上げが増えることです。しかも,一般的にグリーン電力を使うなど地球環境問題に対応した商品は高付加価値である場合が多いので,売り上げが伸びるほど収益も拡大するでしょう。すると,再生可能エネルギーを一部だけ使っていた企業は,その比率を増やしていくでしょう。また,ライバル企業も,指を食わえてばかりはいられなくなるでしょう。

2)株式(るいとう)を買う

 懇意の上場企業経営者とお話をすると,昨今の海外ファンド台頭や,株式交換/三角合併などの新手法認可で,買収されるのではと常に気を病んでおられるようです。

 企業経営者にとって,目先の収益で売買をしない安定株主ほどありがたいものはありません。そこで,たとえ毎月1万円ずつであっても,10年20年の長期視点で株式(るいとう)を買い続けて売却しない個人投資家がたくさんいれば心強いはずです。

 地球環境問題への対応が進んでいる企業の株価は,レーティング機関から高く評価される場合が多いようです。個人エコ投資家の活動で株価が下支えされるとわかれば,さらに人気が高まるでしょう。

3)就職する,就職を勧める

 企業規模,知名度,高賃金などだけでは,就職先を選ばない学生も増えています。「偽」企業の増加で,経営理念が崇高で社会性が高い企業を選ぶ傾向が高まっています。NPO法人(特定非営利活動法人)に就職したり,社会企業家を目指す学生がいるほどです。

 学生も両親も,単に経済誌の人気企業ランキングではなく,グリーン電力を活用するなど地球環境問題への取り組みランキング上位の企業から就職先を選んではいかがでしょう。将来的には収益も増え,株価が高くなる可能性も高いので,経済的にも合理的な選択です。

 優秀な人財を集めるには,再生可能エネルギーを使わなくてはならないとなれば,経営者も考えを改めるでしょう。

4)口コミ,ネットコミをする

 最近では,個人の口コミやネットコミが企業の評判はもちろん,売り上げや株価を左右する時代になってきました。ですから,地球環境問題に前向きな企業を応援するコメントを,自分のブログはもちろんのこと,ミクシイなどのSNS,価格コムなどの掲示板に書き込んでいくと,その蓄積は大きな影響力を持ちます。

 ネットで検索した時に,上位にネットコミが表示されて目立つばかりか,その記事を読んだネットワーカーが,またネットコミを広げて行きます。こうした情報連鎖に経営者が気づけば,取るべきアクションは明らかでしょう。

5)アフィリエイトをする

 ネット上で,特別に影響力を持つ個人ブロガーや,NPOサイト,さらにはオンラインショッピング・サイトなどが,再生可能エネルギーを活用する企業の商品を優先的に紹介販売すれば,確実に売上も収益も伸びるはずです。

 そして,オンラインでの売上は,ネットコミを通じて,リアルな売上にまで影響を与える時代になりました。有力アフィリエイターたる個人や法人の存在を,今や企業は無視できません。アフィリエイターがグリーン電力などを活用する企業を重視すれば,企業経営者も変わらざるを得ないのです。

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