「女性SEさばいばる日記パート2」を書き始めて早1年が経ちました。今回が最終回となります。パート1から数えると足掛け4年。「全3回くらいの連載で……」というお話からかる~い気持ちで始めた本コラム。こんなに長く続いたなんて,自分でも驚いています!

女性SEの思いを伝えるのは難しい

 「連載を終了する」と,友人でSEのE子に話したところ,「えー,やめちゃうの!? これからが面白くなると思っていたのに!!」と言われました。「何でこれから面白くなるって思うの」と私。するとE子は,「だって,このままずっと連載が続くと,結婚→妊娠→出産→復帰という話になるでしょ。これって若手女性SEなら誰もが不安に思っていることだし,SEとしての正念場だと思うんだよね~。特に産休,育休明けからの復帰の話,そして子育てと仕事の両立の話をリアルタイムで読みたいもん」と言うのです。

 確かに,結婚~出産,復帰の過程を赤裸々(?)に語っている記事は,あまり見かけませんよね。でも,E子が期待するような過程を書けるようになるまで,私自身,あと何年かかるか,残念ながら分かりません(苦笑)。そこで,私以外の方が書いてくれることを期待したいと思います。

 私がさばいばる日記パート1を始めた頃は,女性SEに関する書籍はおろか,インターネットで検索しても,ほとんど記事は見つかりませんでした。たまにヒットするのが,企業の求人ページ。「女性も元気に働いています!」などという見出しの下に,女性SEのコメントが紹介されていました。それも「きっと人事が検閲した文章なんだろうなぁ」という感じの文章が多かったことを覚えています。

 ですから,連載を始めた当初は,他の女性SEの考えや思いが分からず,「私の意見をみんなはどう思うのだろう」と,ちょっと不安に思っていました。でも続けているうちに,読者の方から「私も同じように考えていました」「共感しました」という感想をいただくようになり,ほっとしました。そして,このコラムを通して,多くの女性SEの方にめぐり合えました。うれしかったと同時に,貴重な財産となっています(もちろん批判的な意見もたくさんいただきました。でも,それもよい勉強になりました)。

 ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及した今では,多くの女性SEが,インターネット上で職場の悩みや仕事について語っています。女性SEが執筆した書籍も目にする機会も増えてきました。また女性SEが集まるコミュニティもできており,私もたまに参加させていただくのですが,みなさん,仕事や人生に熱意をもってらっしゃる方ばかり。そのパワーに感嘆しています。今後,ますます情報発信の場が増えて,様々な女性SEの方の意見や思いを知ることができるようになるといいですよね。

SE人生はまだまだこれから

 パート1から今回までの全49回のコラムの中には,仕事の話だけではなく,飲み会や男女交際などの,ちょっとプライベートなことを話題にしたものもありました。そういえばパート2の第10回では,私が「IT業界で働きたくない」とまで,思いつめた話まで赤裸々に告白しちゃいましたよね(笑)。

 読み返してみると,私のSE人生は結構,「山アリ谷アリだなあ」と思っていたのですが,私の周りにいる先輩方に聞くと,「これぐらいは普通じゃない?」とのこと。

 「こうやって改めて読んでみると,伊藤さんはやっぱり“作ること”が好きなんだと思うよ。そうじゃないと,一度嫌になったIT業界で,次も働こうなんて思わないはずだから」と先輩SEのAさんは感想を言ってくれました。なんだか恥ずかしくなった私はA先輩に,「“作ること”っていうと,製造業みたいですね」と問いかけました。するとA先輩は「ソフトウエア開発もまさに製造業だと思う。モノづくりの仕事なんだよ」と答えてくれました。確かに設計図を見て,プログラムというモジュール(部品)を組み合わせて作り上げていく工程は,製造業と同じですものね。

 そっか~。私は「モノづくり」が好きなのか…。今さらながらですが,先輩の言葉でそう気付いた私。今まで携わった案件,システムのいずれにおいても,「作る」ことが楽しく,様々なやりがいがあったことを思い出しました。そして次もSEという道を選んだ私は,これからも「作る」ことで喜んだり,悩んだりしていくのでしょう。なんだか「頑張らないと!」という気になってきました。単純ですよね(笑)。

 まだSEという仕事をして10年に満たない私ですが,それでもたくさんの仕事や様々な人に出会うことができました。これからも仕事を通して,さらなる出会いがあると思います。このコラムは今回で終了してしまいますが,私はまだまだIT業界に居座って,SE人生を謳歌するつもりです(笑)。お仕事などで見かけましたら,ぜひ声をかけてくださいね!

 今まで,応援ありがとうございました! 心から感謝します。そしてこれからも頑張ります。