「転職」と口に出すのは簡単ですが,行動に移すには相当な勇気と体力が必要です。特に大変なのが情報収集。インターネットで検索すると,転職に関する様々な情報を収集できますが,それだけでは「本当にこの情報は確かなのか」と不安になります。身近な転職者からリアルな情報を集めたいところですが,自分が転職することを大っぴらにはできないので,なかなか根掘り葉掘り聞けません。せいぜい「どこの人材バンクを使ったの」ということくらい──というわけで,今回と次回は,私の転職活動記を紹介したいと思います。

退職してからの活動は大変!

 もし,みなさんが転職するとしたら,「働きながら転職」「退職してから転職」のどちらを選びますか? 「働きながら転職」の場合は,転職活動に専念できないため,活動期間は長くなりがちです。一方の「退職してから転職」の場合は,転職活動だけに専念できるためスムーズです。しかし活動期間は最短でも1カ月~2カ月半は必要です。下手すると3カ月以上かかることもあるでしょう。その間,収入がないにも関わらず,健康保険や国民年金,住民税などを支払っていかなければならないため,金銭的には厳しいものがあります。

 また,初対面の人に自己紹介するとき,「無職」というと,悪い印象を抱かれてしまうこともデメリットでしょう。「えっ,プータローなんだ!?」といわれると,結構傷ついたりします。「かくかくしかじかで,以前はSEとして働いていましたが,今は転職活動中なんです」という説明をしないと,だらしない人という目で見られることもありました。

 IT系の展示会に招待された時も,無職のつらさを痛感しました。展示ブースで実施しているアンケートは,「企業名」の記入が必須なんですね。空白で出したら,コンパニオンのお姉さんに「ここも埋めてください」と言われ,途方に暮れました(笑)。また,個人(というか無職)ということ分かると,スタッフが熱心に説明してくれなくなったり……。「やっぱり,無職は厳しい」と思いましたね。

 一方,メリットは自由な時間が増えること。私の場合は,普段なかなか会えない親に孝行をしたり,ひとり旅に挑戦したり,富士山に登ってみたりとやりたかったことを片っ端からやっている感じです。もちろん,転職活動を最優先にしなければなりませんが……。

 転職のタイミングは,やはり,「働きながら転職」がよいような気がします。転職経験のある友人たちもほとんどがこの「働きながら転職」派。転職先が決まってから上司に報告。そしてタイミングのよいところで有給休暇を取得し,リフレッシュして新しい職場に赴くのです。これだと毎月の収入は確約されていますし,万一,転職活動がうまくいかなくても今の職場で働き続けられるので,安心ですよね。

 でも私はあえて「退職してから転職」を選びました。仕事を続けながら,転職活動するという二束のわらじは履けないと思ったからです。まあ,不器用なんだと思います。

 この私の選択に,親や兄弟はもちろん,上司や先輩も反対しましたね。「次が決まってないのなら,慌てて辞めることないのでは」というのです。唯一,「いいんじゃないかな。ゆっくり,じっくり転職活動すればいいじゃん」と言ってくれたのは,フリーエンジニアの友人だけでした。

気を失いかけた(?)保険,年金,住民税の支払い

 まず,解決しなければ問題は「当面の生活資金」の確保です。私の場合は,怪我や入院などで働けなくなった場合に備えて,「いつかの日のため貯金」をしていたので,それを使うことにしました。まずは1カ月にかかる支出を計算して,1年は働かなくても暮らしていける金額を用意。転職活動期間を1年としたのは,万一のことを考えてです。まぁ,本当に半年以内に決まらなかったから,実家に連れ戻されていたでしょうけど……。

 それなりに覚悟ができていた私でしたが,実際,保険や年金,住民税などの請求書を見たときは,気を失いそうになりました。「退職してから転職」を考えている人は,毎月,どのくらいの保険や年金,税金が引かれているのか,ちゃんと把握しておいたほうがいいと思います。今はWebサイトでも,個人で支払う場合の金額を計算してくれるところがありますから,一度試してみるのもいいでしょう。そうしたら「やっぱり,働きながら転職活動しよう」という気になると思います(苦笑)。

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