調査内容 主要インテグレータへの満足度(その4:プロジェクト管理能力)
調査時期 2008年8月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2780件(1157件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象として2008年8月に実施した調査で,国内の主なシステム・インテグレーター(SIer)の「プロジェクト管理能力」に対する利用者の満足度を聞いたところ,IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)が唯一80%台の満足率を得てトップ。2位は前回2008年2月調査でも2位の日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J)で,IBM勢が1-2位を独占する結果となった。70%台の評価を得たのはこの他,野村総合研究所(NRI)と新日鉄ソリューションズ(NSSOL),NTTデータ,富士通システムソリューションズ(Fsol)。IBCS,ISC-J,NRI,NSSOLの上位4社は,「提案力」(9月25日付け記事参照)での上位の4社と同じ顔ぶれだった(前回2008年2月の調査結果は2008年3月12日付け記事,前々回2007年8月の調査結果は2007年10月3日付け記事を参照)。

Fsolは約40ポイント,NRIとNSSOLも約30ポイント上昇

 今回2008年8月のSIer満足度調査で全6項目とも有効回答数30以上を得た評価対象企業30社の中で,「プロジェクト管理能力」満足率(算出方法は下記の「■調査概要」参照)のトップは,IBCSの81.3%。IBCSの前回調査での「プロジェクト管理能力」満足率INDEXは,回答数24で参考値扱いだが41.7%。前回調査と設問形式を変更した(9月25日付け記事参照)影響か,有効回答数30以上を得たSIerの満足率の平均値は「プロジェクト管理能力」満足率の場合,前回の39.2%(27社平均。ちなみに六つの評価項目中最低)が,今回は60.5%(34社平均,6評価項目中4番目の高さ)へと,21.3ポイントも上昇している。

 その中で,3位のNRI(72.4%,前回は42.4%),4位のNSSOL(71.6%,前回は39.2%)はともに約30ポイント,6位のFsol(70.3%,前回は32.3%)は38ポイントの大幅な加点で,2位のISC-J(73.8%,前回は51.0%)に迫った。5位のNTTデータ(71.2%,前回は48.9%)も,全体平均よりわずかながら高いポイント増をマークしている。

 前回調査で有効回答数30以上を得た27社中1位(53.8%)だったNECネクサソリューションズは,今回は55.3%で34社中27位に後退。前回調査でNECネクサ,ISC-J,NTTデータに次ぐ4位の47.3%の満足率INDEXを得ていた富士ソフトは,今回は47.0%で34社中33位の「プロジェクト管理能力」満足率だった。

 ちなみに「そのSIerを利用している」有効回答者のうち,「間接的な形でだけ利用」とした回答者を除いた集計(9月25日付け記事参照)で「プロジェクト管理能力」満足率に有効回答数30以上を得たのは,下の図の有効回答数上位20社のみ。この集計でのトップはNRIの77.3%。以下2位のISC-J(75.3%),3位NSSOL(74.2%)までは,数ポイントずつアップする程度である(IBCSは19票で参考値だが満足率78.9%,有効回答数30以上の20社の「プロジェクト管理能力」満足率の平均は63.2%)。ただしこの「直接契約者のみ」の満足率の集計では,伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が70.8%(20社中4位),ネットワンシステムズが67.6%(同7位)で,この2社だけは全利用者平均より約10ポイント高い満足率を得た。

製造業,SCMでの満足度は高いが「要求分析/要件定義」で評価低いNSSOL

 「プロジェクト管理能力」満足率上位で得票数の多いSIerについて,回答者の業種などの属性(「回答者が担当するシステムの範囲/分野」参照)別の特徴を見た。ISC-J(全体の満足率73.8%)は「情報処理関連サービス(情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR)」の回答者から58.6%とやや低い評価を受けている。NTTデータ(全体の満足率71.2%)は「政府/官公庁/団体」の満足率60.0%が低めだが,「金融/証券/保険業」は82.4%と高め。NRI(全体の満足率72.4%)は「金融/証券/保険業」の回答者の満足率が64.3%でやや低めだ。

 NSSOL(全体の満足率71.6%)は「製造業」で80.0%とやや高め。業務アプリケーション分野別で「SCM」の担当者の満足率が100%となっているのも,同社の強みを示している。ただしNSSOLは「提案力」(9月25日付け記事参照)と同じく,回答者の担当システムのライフサイクル上の段階が「戦略立案」の回答者の満足率は高い(81.8%)が,「RFP/要求分析/要件定義」の担当者で際立って低い(45.5%)という傾向を示している。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主要インテグレータに対する満足度を聞いた。
 大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて20社(下図の回答数上位20位までの20社)をピックアップし,有効回答者全員に評価を求めた。その他の大手SIer 48社については,SIerと回答者をそれぞれ3グループに分けて,各回答者に16社だけを提示し評価を求めた。評価対象としたSIer全68社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
 今回の2008年8月調査ではまず「(評価対象の)このSIerを利用しているか」を聞き,「利用している」とした回答者にのみそのSIerについて,「サービス料金」「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」「システム構築力」「運用サービス力」の六つの満足度評価項目にそれぞれ,「満足」か「不満足」の二者択一で回答するよう求めた。「満足」と「不満足」の回答数の合計を有効回答数とし,「満足」とした回答者の比率(%)を「満足率」とした。このうち「プロジェクト管理能力」については下図に示した30社のほか,東芝情報機器(n=33,満足率51.5%),東芝情報システム(n=30,満足率56.7%),アシスト(n=30,満足率53.3%),東芝ソリューション(n=30,満足率53.3%)も有効回答数30以上を得たが,この4社は他の満足度評価項目で有効回答数が30未満だったため,今回の記事では図示していない。
 なお本文中で言及している2007年2月調査と2006年11月調査では,選択式回答の「大変満足」を100,「やや満足」を67,「やや不満」を33,「大変不満」を0点にスコア換算して平均した「満足度INDEX」の結果を示した。また前々回2007年8月調査と前回2008年2月調査では評価対象の各SIerについて「利用しているか」,「評価項目に該当するサービスやソリューションの提供を受けているか」を聞き,ともに「している」とした回答者数を100%として,その評価項目に「満足」とした回答者の比率(%)を「満足率INDEX」とした。
 調査実施時期は2008年8月中旬~下旬,調査全体の有効回答は2780件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1157件。

図1●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数上位10社)
図1●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数上位10社)

図2●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数11位~20位)
図2●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数11位~20位)

図3●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数21位~30位)
図3●主要システム・インテグレーターのプロジェクト管理能力に対する満足率(回答数21位~30位)


回答者が担当するシステムの範囲/分野

出典:日経マーケット・アクセスINDEX:企業情報システム 2008年8月調査
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。