調査内容 主要インテグレータへの満足度(その3:業務・業界に対する知識)
調査時期 2008年8月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2780件(1157件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象として2008年8月に実施した調査で,国内の主なシステム・インテグレーター(SIer)の「業務・業界に対する知識」に対する利用者の満足度を聞いたところ,IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS,82.4%),日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト,80.0%)の2社が80%台の満足率を獲得。次いで,野村総合研究所(NRI,79.1%),伊藤忠テクノソリューションズ(CTC,77.8%),日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J,76.6%)が上位の評価を得た(前回2008年2月の調査結果は2008年3月12日付け記事,前々回2007年8月の調査結果は2007年10月3日付け記事を参照)。

住商情報が大きく「業務・業界知識」満足率をアップ

 今回のSIer満足度調査で「業務・業界に対する知識」に有効回答数30以上を得た35社の,「業務・業界に対する知識」満足率(算出方法は下記の「■調査概要」参照)の平均値は67.5%。提示した六つの評価対象項目(「提案力」「プロジェクト管理能力」「業務・業界知識」「システム構築力」「運用サービス力」「サービス料金」)の中で,満足率の平均値が最も高かった。

 ちなみに前回2008年2月調査でも,提示した6項目中,有効回答数30以上を得たSIerの満足率INDEXの平均値のトップはこの「業務・業界に対する知識」だが,その値は45.5%。前回調査と少し設問形式を変更した(9月25日付け記事参照)影響からか,約22ポイントの大幅な平均値上昇となった。

 特に大きく満足率を上げたのは,前回の「業務・業界知識」満足率INDEXが27.3%(n=33),有効回答数30以上の29社中29位だった住商情報システム。今回は下の図にも示した通り68.6%を獲得,前回比40ポイント以上の満足率アップとなった。今回の「業務・業界知識」満足率2位(80.0%)の日立ソフトは,前回の「業務・業界知識」満足率INDEXが40.9%(回答数22で参考値扱い)。これも前回比約40ポイントの加点である。

 一方,前回調査で「業務・業界知識」満足率INDEXの6位,53.3%を得ていた富士ソフトは,今回54.5%とほぼ前回並みの評価で35社中31位に後退。前回11位の東芝情報システムは,今回も前回と全く同じ満足率50.0%で33位だ。

野村総研は「知識」でも「流通」で評価高く「金融」で低い

 「業務・業界知識」満足率上位のSIerについても,回答者の業種,担当システムの規模などの属性(「回答者が担当するシステムの範囲/分野」参照)別に見た場合に,特徴のあるところを挙げておく。9月25日付け記事で紹介した「提案力」満足率とやや似た傾向があり,トップのIBCSは「情報処理関連サービス(情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR)」業種の回答者の満足率が100%(全体の満足率82.4%,ただし「満足」票の絶対数は28と少ない)。

 3位のNRI(全体の満足率79.1%)の「業務・業界知識」満足率も「提案力」満足率と似た傾向で,「流通業」で100%,「製造業」で81.3%の高い評価を得たが,「金融/証券/保険業」の回答者は61.5%と低めだ。

 新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は,「提案力」満足率は「製造業」でやや高く「情報処理関連サービス」でやや低めの評価を受けたが,「業務・業界知識」(全体の満足率74.5%)では「製造業」の回答者が70.0%,「情報処理関連サービス」が87.5%と逆転した。ただし担当システムのライフサイクル上の段階別では「提案力」と同じ傾向で,「戦略立案」段階のシステム担当者の満足率が高く(84.8%),「RFP/要求分析/要件定義」段階の担当者では50.0%と低い。

「製造業」「SCM担当」が低めの日立ソフト,「運用~保守」段階に高評価のNECソフト

 担当システムの業務アプリケーション分野別では,どの分野の担当者も上位のSIerに「業務・業界知識」満足率75~100%の,高めの評価を満遍なく与えている。その中では「SFA・営業系」分野の担当者が,IBCS(全体の満足率82.4%)に71.4%,ISC-J(全体の満足率76.6%)に67.6%と,IBM系の2社にやや辛めの点を付けたのが目立った。

 日立ソフト(全体の満足率80.0%)は,IBCSと同様「満足」票の絶対数が少ない(36票)ため,属性別分析にあまり説得力がないが,「全社情報システム」の担当者の満足率74.3%に対し,「全社以外(部門~ワークグループの情報システムのみ)」の担当者の満足率が100%と高め。業種別で「製造業」回答者が70.0%,「業務アプリケーション分野別では「SCM」担当者が71.4%で,日立ソフトに対する「業務・業界知識」満足率の中では低めだ。

 NECソフト(全体の満足率74.7%,「満足」121票)の場合,日立ソフトと逆に,「全社の情報システム」の担当者は80.4%の満足率でやや高め,「全社以外の情報システム」の担当者は62.0%と低め。NECソフトの「業務・業界知識」満足率は,担当システムの段階別でややブレ幅が大きく,「RFP/要求分析/要件定義」の担当者の満足率が66.0%と低め,「運用/活用支援」と「保守/修正/機能追加」「システムの廃棄」段階の担当者の満足率がともに約86%と高い。NECソフトへの「業務・業界知識」満足率は,回答者の業種別ではあまり差がなく,システムのライフサイクル上の段階による違いが目立った。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主要インテグレータに対する満足度を聞いた。
 大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて20社(下図の回答数上位20位までの20社)をピックアップし,有効回答者全員に評価を求めた。その他の大手SIer 48社については,SIerと回答者をそれぞれ3グループに分けて,各回答者に16社だけを提示し評価を求めた。評価対象としたSIer全68社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
 今回の2008年8月調査ではまず「(評価対象の)このSIerを利用しているか」を聞き,「利用している」とした回答者にのみそのSIerについて,「サービス料金」「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」「システム構築力」「運用サービス力」の六つの満足度評価項目にそれぞれ,「満足」か「不満足」の二者択一で回答するよう求めた。「満足」と「不満足」の回答数の合計を有効回答数とし,「満足」とした回答者の比率(%)を「満足率」とした。
 このうち「業務・業界に対する知識」については下図に示した30社のほか,アシスト(n=31,満足率74.2%),東芝ソリューション(n=31,満足率64.5%),東芝情報機器(n=31,満足率48.4%),IIJグループ(n=30,満足率76.7%),東芝情報システム(n=30,満足率50.0%)も有効回答数30以上を得たが,この5社は他の満足度評価項目で有効回答数が30未満だったため,今回の記事では図示していない。
 なお本文中で言及している2007年2月調査と2006年11月調査では,選択式回答の「大変満足」を100,「やや満足」を67,「やや不満」を33,「大変不満」を0点にスコア換算して平均した「満足度INDEX」の結果を示した。また前々回2007年8月調査と前回2008年2月調査では評価対象の各SIerについて「利用しているか」,「評価項目に該当するサービスやソリューションの提供を受けているか」を聞き,ともに「している」とした回答者数を100%として,その評価項目に「満足」とした回答者の比率(%)を「満足率INDEX」とした。
 調査実施時期は2008年8月中旬~下旬,調査全体の有効回答は2780件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1157件。

図1●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数上位10社)
図1●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数上位10社)

図2●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数11位~20位)
図2●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数11位~20位)

図3●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数21位~30位)
図3●主要システム・インテグレーターの業務・業界に対する知識の満足率(回答数21位~30位)


回答者が担当するシステムの範囲/分野

出典:日経マーケット・アクセスINDEX:企業情報システム 2008年8月調査
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。