調査内容 主要ベンダーへの満足度(ソフト)
調査時期 2008年5月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3135件(1051件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーへの満足度を聞いたところ,2008年5月調査で「ソフト製品」の最高の満足率を獲得したのは,「価格」と「サポート・サービス」がジャストシステム,「性能・機能」が日本オラクル,3項目の満足度の単純平均は前回2007年11月調査に続いてジャストシステムがトップだった。

ジャスト,サイボウズ,トレンドマイクロが安定して上位を確保

 ジャストシステムは前回調査では「機能」でトップ,「価格」で2位,「サポート」は6位だった。前回に続いて今回の調査でも有効回答数は30票の評価対象ラインぎりぎりながら,「価格」はn=36で満足率75.0%,「サポート・サービス」はn=79で49.4%でともにトップ。「性能・機能」もn=79で63.3%で,トレンドマイクロと同率の2位を占めた。

 日本オラクルは前回,0.3ポイントの僅差でジャストシステムにソフト製品分野の「性能・機能」満足度のトップを明け渡したが,評価の対象を「ハード製品」「ソフト製品」「通信・ネットワークサービス(ASP,SaaSを含む)」に分けて評価を受ける方式になった初回の前々回2007年5月調査では,この項目で首位だった。今回も「価格」満足率は43.7%(n=279)で,評価対象とした有効回答数30以上の28社(「■調査概要」参照)の10位,「サポート」満足率も40.5%(7位)と低めだが,「機能」満足率は64.1%(ともにn=551)を得てジャストシステム,トレンドマイクロと0.8ポイント差の首位に返り咲いた。

 3項目の満足度の単純平均の2位は,前回2007年11月調査2位,前々回2007年5月調査では1位のサイボウズ。「価格」満足率(前回1位)は69.5%で2位(n=151),「機能」満足率(前回3位)は62.1%で5位,「サポート」満足率(前回7位)は48.7%で3位(ともにn=232)。安定して上位をキープしている。

 3項目単純平均の3位は,前回,前々回も3項目単純平均3位のトレンドマイクロ(59.1%)。「機能」の2位のほか,「サポート」満足率が48.9%で2位(ともにn=188),「価格」満足率65.2%も3位(n=115)で3分野ともトップ3を占めた。

 単純平均の4位以下のスコアは上位3社からやや水が開いている。54.2%のオービックビジネスコンサルタント,51.5%のアドビ システムズ,51.4%のマカフィーまでが50%以上の満足率を得た。

マイクロソフトとSAPは2回連続で中位に付ける

 3項目とも有効回答数100以上を得たベンダーの中では,サイボウズ,トレンドマイクロ,アドビ,オラクル(3項目平均49.4%)に次ぐ,5位にマイクロソフト(3項目平均は43.1%,価格が41.7%,機能は52.9%,サポートは34.6%)が食い込んできた。価格満足率は評価対象28社平均の41.5%なみ,機能満足率とサポート満足率は28社の平均(順に38.1%,30.3%)を上回った。

 SAPジャパンはマイクロソフトとともに,前々回2007年5月調査では3項目とも満足度評価の最下位争いから,前回調査で中位に上昇したが,今回も中位を守った。3項目平均は35.3%で28社の平均36.6%に今回も届かなかったが,機能満足率は42.0%(28社中12位),サポート満足率は33.6%(11位)で平均値を超えている(ともにn=143)。価格満足率(n=89)だけは30.3%と平均を大きく下回ったが,22位。このSAPの直下に,「ハードの価格満足率」(6月18日付け記事参照)ではトップを独走したデルが,「ソフトの価格満足率」では29.5%で23位に沈んでいる。

ソフト製品の満足度で「デルと僅差」に沈んだ日本HP

 デル(機能満足率は20.0%,サポート満足率は17.4%,3項目平均は22.3%でいずれも25位)と並んで,下位に沈んでいるのが日本ヒューレット・パッカード(HP)。前々回2007年5月調査では「ソフト製品」満足度の3項目平均で4位を占めていた日本HPが,前回2007年11月調査で評価対象25社中の下から4番目に急降下。今回も日本HPは,3項目平均22.9%(レノボ・ジャパンと同率の23位)で,評価対象28社中の下から5番目に沈んだままとなった。価格満足率28.4%は24位,機能満足率22.2%は21位,サポート満足率18.2%は23位だ。

 デルについては前回調査まで,その扱い製品から見てこの「ソフト製品」満足度の評価対象から除外しており,今回から評価対象とした。だがHPの場合,ミドルウエアでは長い歴史を持つ最大手の一角である。3項目平均の満足率がデルと0.6ポイントの僅差というのはかなり厳しい評価だろう。

ソフト製品の不満足率上位はマイクロソフト,SAP,オラクル

 一方,「不満足率」で見ると,評価対象28社の3項目平均が21.8%に対し,デルは14.0%で24位,日本HPは14.9%で22位と,低い値に収まっている。つまりハード製品でのサン・マイクロシステムズへの評価(6月18日付け記事参照)と同様,デルと日本HPに対して「製品は利用しているが,ソフト製品は利用していないか,利用していても評価を保留した」回答者の比率が際立って高いことになる。

 3項目平均の「不満足率」トップ(ワースト)5は順にSAPジャパン(42.9%),マイクロソフト(40.5%),シマンテック(30.2%),日本オラクル(29.7%),マカフィー(28.9%)。マイクロソフトは「サポート」で不満足率37.9%。SAPは「価格」で不満足率62.9%という評価になっている。オラクルも「価格」不満足率の48.0%が響いている。

 ちなみに無回答を除外し,「満足」か「不満足」のいずれかを選んだ回答者だけを対象にして集計すると,マイクロソフトの3項目平均の満足率は51.7%(=不満足率48.3%),SAPは46.4%。評価対象25社(ソニー,パナソニック,セイコーエプソンの3社が価格満足度で30票未満となり除外)の24位と25位に降下する。逆にデル(61.5%)は16位,日本HP(61.2%)は17位と中位に上がってくる。

 ただし,無回答を除外した集計でも,3項目平均の満足率トップ3はジャストシステム(79.3%),サイボウズ(76.8%),トレンドマイクロ(70.3%)で変わらなかった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主要ベンダーに対する満足度を聞いた。
 今回の「ソフト製品」に対する満足度評価は,「価格」,「性能・機能」,「サポート・サービス」の3項目とも有効回答数が30以上に達した対象企業が28社(前回2007年11月調査では25社,2007年5月調査では17社),このうち3項目とも回答数100以上が16社。図示していないが,日立製作所(満足率の3項目単純平均は33.0%,価格が37.3%,機能は32.9%,サポートは28.7%),レノボ・ジャパン(順に22.9%,33.7%,19.9%,15.2%),サイボウズ(本文参照),シスコシステムズ(順に22.3%,26.5%,21.7%,18.8%),サン・マイクロシステムズ(順に38.3%,37.7%,45.7%,31.5%),富士ゼロックス(順に30.6%,31.5%,30.4%,29.8%),トレンドマイクロ(本文参照),リコー(順に28.8%,42.6%,21.9%,21.9%)の8社も,3項目とも回答数100以上だった。
 なお,今回の調査で3項目とも回答数30以上を得たが,当該ベンダーの製品・サービスの領域を考慮して,以下の7社(順不同)は「ハード製品」の満足度評価の集計対象から除外した。NTT東日本/NTT西日本,NTTコミュニケーションズ,NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクテレコム,ソフトバンクモバイル,ウィルコム。
 今回の調査ではまず「評価対象のベンダーを利用しているか」の設問を提示。そのうち「利用している」とした回答者数(有効回答数)を,そのベンダーのその評価項目についての100%とし,その評価項目に「満足」「不満足」の二者択一で回答を求めた。本文中の「満足率」は上記の有効回答数の中で「満足」とした回答者の比率,「不満足率」は「不満足」とした回答者の比率である。これに「満足」「不満足」のいずれも選ばなかった無回答(態度保留)の回答者を加えると100%となる。
 「価格」満足度は評価対象ベンダーと直接契約して利用している回答者,「性能・機能」と「サポート・サービス」満足度は評価対象ベンダーの製品・サービスを直接または間接的な形で利用している回答者にだけ,設問を提示した。なお,2007年5月調査までのベンダー満足度調査で指標とした「満足度INDEX」は,選択式回答の「大変満足」を100点,「やや満足」を66.7点,「やや不満」を33.3点,「大変不満」を0点にスコア換算して平均したもの。前回2007年11月実施の満足度調査で指標とした「満足率INDEX」は,今回と同様にまず「利用しているか」を聞き,「利用している」とした回答者に各評価項目と選択肢「満足」「評価対象外」を提示。「利用している」とした回答者数から「評価対象外」を選んだ回答者数を除いたものを100%として,「満足」とした回答者の比率を示した。
 評価対象ベンダー全68社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年5月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3135件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1051件。

■変更履歴
日本オラクルの「機能」満足率を『63.3%』としていましたが、正しくは『64.1%』です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/06/26 18:00]

図1●情報システム関連ベンダーのソフト製品への満足度(回答数上位5社)

図2●情報システム関連ベンダーのソフト製品への満足度(その他の主要5社)

回答者が担当するシステムの範囲/分野

出典:日経マーケット・アクセスINDEX:企業情報システム 2008年5月調査
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。