調査内容 主要ベンダーに対する「利用したい理由」(その1)
調査時期 2008年4月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2920件(1136件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行っている月次定期調査では,3カ月ごとに主な情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)について,「今後利用したい」と感じるかどうかを聞いてきた。最新の2008年4月調査では,評価対象の各ベンダーに「職務で接点がある」とした回答者のうち最も高い比率で「今後利用したい」とされたのはレッドハット(32.6%)。以下日本オラクル(30.7%),イー・モバイル(29.8%),ヴイエムウェア(VMware日本法人,28.8%),KDDI(27.8%),デル(27.6%),マイクロソフト(27.2%),トレンドマイクロ(25.3%),日本ヒューレット・パッカード(25.2%),シスコシステムズ(25.2%)がトップ10で,25%以上の利用意向率を獲得したのもこの10社だった(5月14日付け記事を参照)

 この月次定期調査では今回から,新たに「そのベンダー/SIerを『利用したい理由』」設問を加えた(下の「調査概要」参照)。今日と次回5月19日付けの記事では,ベンダーの中で100人以上の回答者から「今後利用したい」と支持され,その理由の回答を得た10社それぞれに対する『利用したい理由』を紹介する。次週5月20日と21日公開予定の記事では,SIerの中で「利用したい理由」の有効回答数上位15社についての,同様の『利用したい理由』を報告する。

マイクロソフトは「機能」が61%で「導入実績」51%を上回る

 今回最も多数の回答者から「今後利用したい」とされたのはマイクロソフト。以下日本オラクル,デル,NTT東日本/NTT西日本,日本ヒューレット・パッカードの5社が,150人以上から『利用したい理由』の回答を得た。

 5社それぞれの『利用したい理由』のトップは,マイクロソフトと日本オラクルと日本HPが「製品/サービスの機能」,NTT東日本/NTT西日本は「製品/サービスの機能」と「過去の導入/利用実績」がほぼ同率。デルは「コスト」だった。

 今回の調査で30人以上から『利用したい理由』の回答が得られたベンダー23社(「調査概要」参照)の単純平均は,「製品/サービスの機能」が56.4%で最大,次いで「過去の導入/利用実績」が41.0%。「ブランドや企業イメージ」24.1%と「導入後のサービス(保守,稼働継続)」23.6%がほぼ横並び。「コスト」は平均15.9%,「提案、業務分析、情報提供」は11.1%,「企業規模や体制」が10.2%だった。

 得票数トップのマイクロソフトの『利用したい理由』は,「機能」が最も多く60.6%,「過去の実績」が51.3%,「ブランド」が28.4%,「企業規模」が16.9%で,いずれも23社の平均値を上回った。「提案」も10.2%で平均値に近い。だが「導入後のサービス」は17.4%,「コスト」は5.5%にとどまっている。

 日本オラクルもマイクロソフトと似た傾向で,最も多かった『利用したい理由』は「機能」の67.6%。「過去の実績」は57.3%,「ブランド」が29.2%。ただしマイクロソフトと違って「導入後のサービス」の比率もさほど低くない(23社の平均値とほぼ同じ23.2%)。「過去の実績」の57.3%は23社中最も高い。

 NTT東/西への『利用したい理由』も,オラクル,マイクロソフトの両社と似たカーブを描いているが,「機能」と「過去の実績」は両社よりやや低く約40%。「ブランド」と「導入後のサービス」が約30%,「企業規模」が20.7%(23社中最大)で,導入後のサービスと企業規模を理由として挙げた回答者の比率が若干高い。

ベンダー/SIer中唯一「コストが最大の理由」だったデル

 デルへの『利用したい理由』はこの3社と全く異なり,「コスト」が59.8%で最大。23社中の『利用したい理由はコスト』率の2位はサイボウズ(37.5%)で,デルとの間には20ポイント以上の開きがある。「コスト」が『利用したい理由』の中で最大だったのは,今回の評価対象のベンダー/SIer(30人以上から「利用したい理由」の回答あり)の中で,デルただ1社だけだった。デルは「コスト」以外の6つの選択肢では,「過去の実績」52.7%だけが23社の平均値を上回っている。

 『利用したい理由はコスト』率でサイボウズに次ぐ3番目の高い比率だったのは,日本HP(33.8%)。ただし日本HPについての「コスト」以外の6つの選択肢は,いずれも23社の平均値から4ポイント以内に収まっている。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,職務(担当システム)の領域で「今後利用したい」と感じるかを聞き,「今後利用したい」とした回答者に,そのベンダー/SIerを「利用したい」と感じる理由をたずねた。
 選択肢は「コスト」,「提案,業務分析,情報提供」,「製品/サービスの機能」,「導入後のサービス(保守,稼働継続)」,「企業規模や体制」,「ブランドや企業イメージ」,「過去の導入/利用実績」,「その他」の8つを提示。その中から,「利用したい」と感じる理由を最大3つまで選ぶよう求めた。そのベンダー/SIerを「利用したい」とした回答者数(無回答者を除く。図中のn)を100%として,それぞれの理由が選ばれた比率を集計した。
 今回の調査で30人以上から『利用したい理由』の回答が得られたベンダーは,今日の記事で紹介した5社と,富士通,NEC,日本IBM,アドビ システムズ,シスコシステムズ,日立製作所,サイボウズ,サン・マイクロシステムズ,レノボ・ジャパン,トレンドマイクロ,SAPジャパン,KDDI,EMCジャパン,NTTコミュニケーションズ,オービックビジネスコンサルタント,富士ゼロックス,シマンテック,レッドハットの合計23社だった。
 評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年4月中旬,調査全体の有効回答は2920件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1136件。

図●主な情報システム関連ベンダーに対する「利用したい」理由
(回答数上位5社,n=150以上)

回答者が担当するシステムの範囲/分野

出典:日経マーケット・アクセスINDEX:企業情報システム 2008年4月調査
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。