日経マーケット・アクセスの月次調査「日経マーケット・アクセスINDEX(日経MA-INDEX):企業情報システム」の2007年2月調査は,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業に対する,利用者の満足度を聞いた。昨日(3月27日)公開の記事での,SIerに対するコンサルティング的要素の強い3項目の評価結果に続き,今日は残りの3項目,実務的な「システム構築力」「運用サービス力」と「価格(サービス料金)」についての満足度の結果を紹介する。

「システム構築力」満足度はFsasと日立電サが急落

 SIerの満足度は,全6項目とも有効回答数が30以上に達した対象企業が14社,このうち「システム構築力」「運用サービス力」と「価格」の3項目とも回答数50以上に達した企業が8社(昨日の記事での「回答数50以上」の7社プラス日立情報システムズ),3項目とも回答数30以上に達した企業は15社(昨日の記事での「回答数30以上」の14社プラス日立電子サービス)だった。

 3項目とも50回答以上を集めたSIer 8社の中で,「システム構築力」満足度INDEX(算出方法は下記の注釈参照)は,伊藤忠テクノソリューションズ(CTC,56.2点)とNTTデータ(56.0点)がトップ。だが3項目とも回答数30以上の15社でみると,リコー(58.7点)がこの2社を上回り,TIS(55.6点)もCTCとNTTデータとほぼ並ぶ高評価を得た。

 前回2006年11月調査で「システム構築力」満足度INDEXの上位を占めた富士通サポート&サービス(Fsas,前回62.4点)は,今回は15社平均(52.2点)を下回る50.9点。日立電子サービス(前回64.6点)は15社中最低の44.8点と,ともに大きく評価を下げた。

 「運用サービス力」満足度でも,Fsasと日立電サは前回調査ではトップクラスの評価を得ていた。ここでも両社はランクを下げたが(Fsasが前回63.4点→今回53.5点,日立電サが61.3点→今回54.6点),ホームグラウンドと言うべき分野だけに,15社平均(53.5点)ラインより上の位置は守った。

 「運用」満足度上位は,50回答以上のクラスではNECフィールディング(60.2点,前回56.5点)が大塚商会(56.6点,前回54.4点)以下に大きく差をつけてトップ。しかし回答数30以上の15社では,ここでもリコー(60.5点)がNECフィールディングをわずかながら上回る評価を得た。

「価格」満足度はリコーとNEC勢

 最後に残った「価格」満足度は,リコーが今回調査でベンダー全3項目,SIer全6項目を通じて唯一の70点台となる72.2点を獲得。50回答以上のクラスではNECフィールディング(65.4点)とNECソフト(61.7点)のNEC勢が上位をさらった。回答数30以上のクラスながら日本ビジネスコンピューター(JBCC,64.5点)の評価も高い。

 Fsasの価格満足度は前回の61.7点が今回は59.7点。それほど大きな下がり方ではないものの,15社平均(58.9点,前回は10社平均で56.8点)をやっと上回るラインまで下がった。前回の価格満足度で突出して高い66.7点をマークした日立電サは,今回は61.3点でNECソフト,大塚商会(60.7点),Fsasとともに4社で4位グループを構成する位置につけた。

 今回の実務系3項目の満足度INDEXの平均では,30回答以上のクラスでリコー(63.8点),50回答以上のクラスでNECフィールディング(59.1点)が頭一つ抜け出た。以下JBCC(57.0点),大塚商会(56.8点)を筆頭に,15社平均(54.9点)をはさんで13番目のオービック(51.7点)まで,11社が5ポイント弱の間で並ぶ接戦。やや置かれて富士通ビジネスシステム(FJB,50.2点)とCSKシステムズ(49.3点)の2社のブービー争いとなった。

SIer全6項目総合満足度はリコー,「満足率」はCTCとNTTデータがトップ

 この結果,「提案力」「プロジェクト管理能力」「業務・業界知識」「システム構築力」「運用サービス力」「価格」の全6項目の満足度INDEXを平均した「総合満足度」では,「提案力」と「業務・業界知識」以外の4項目で最高得点を得たリコー(59.6点)が,2位以下に3ポイント以上の差を付けトップ。次いで50回答以上のNECフィールディング(56.3点),大塚商会(提案力トップ,55.9点),NTTデータ(業務・業界知識トップ,55.9点)の3社が,ほぼ同得点で2位に並んだ。

 図示していないが,「大変満足」と「やや満足」の回答者の比率を合計した「満足率」では,CTCが全6項目の満足率平均64.8%,NTTデータが64.7%でほぼ同率のトップ。NECフィールディング(63.5%)とリコー(63.2%)がこれに次ぐという結果になった。

 「満足率」での各項目のトップは,リコーが「価格」(83.3%)と「システム構築力」(66.7%),NTTデータが「業務・業界知識」(71.8%)と「提案力」(62.5%),NECフィールディングが「運用サービス力」(70.4%)と「プロジェクト管理能力」(59.6%)であった。

 しかしリコーは提案力(48.6%)など“上流”3項目の満足率がいずれも14社中9~10位に低迷。NECフィールディングも提案力(50.0%)が8位,「業務・業界知識」(63.9%)と「システム構築力」(58.5%)が5位。NTTデータは「価格」(67.1%)の10位,「運用サービス力」の5位(63.6%)で失点した。

 CTCは「価格」の6位(73.8%)が最低で,「プロジェクト管理能力」(59.1%),「業務・業界知識」(69.3%),「システム構築力」(65.1%)の3項目が2位,「提案力」(57.4%)と「運用サービス力」(64.0%)が4位と安定して満足率上位の評価を得た。

 なお,6項目それぞれ有効回答30以上を得たSIerの中で,「大変満足」の比率のトップは,「提案力」がリコー(n=35,20.0%),「プロジェクト管理能力」もリコー(n=35,20.0%),「業務・業界知識」はネットワンシステムズ(n=37,16.2%),「システム構築力」もネットワンシステムズ(n=38,15.8%),「運用サービス力」がNECフィールディング(n=108,18.5%),「価格」がリコー(n=36,33.3%)であった。

◆注
 調査実施時期は2007年2月中旬,調査全体の有効回答は1150件,うち情報システム担当者の有効回答は484件。
 満足度INDEXは選択式回答の「大変満足」を100,「やや満足」を66.7,「やや不満」を33.3,「大変不満」を0にスコア換算して平均した。
 大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて,本図の15社のうちリコーを除く14社とネットマークス,ネットワンシステムズ,富士ソフトの合計17社をピックアップし,有効回答者全員に評価を求めた。NECソフトについては,九州,中部など各地のグループ会社を含めて評価するよう求めた。リコーなどその他の大手SIer 65社については,SIerと回答者をそれぞれ5グループに分けて,各回答者に13社だけを提示し評価を求めた。

図●主要システム・インテグレーターへのシステム構築力,運用サービス力,サービス料金満足度(回答数50以上)

図●主要システム・インテグレーターへのシステム構築力,運用サービス力,サービス料金満足度(回答数30以上50未満)

回答者が担当するシステムの範囲/分野

出典:日経マーケット・アクセスINDEX:企業情報システム 2007年2月調査
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