写真●電波政策ビジョン懇談会第9回会合の様子
写真●電波政策ビジョン懇談会第9回会合の様子
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 総務省は2014年7月11日、新たな電波利用のビジョン策定を目的とした「電波政策ビジョン懇談会」の第9回会合を開催した(写真)。

 今回は前回の会合で打ち出した中間とりまとめ案に対して、6月10日から30日の期間に実施した意見募集の結果を紹介。寄せられた意見に対する総務省(懇談会)の考え方を示し、来週公表を予定する中間とりまとめに向けた作業を進めた。

グループ性判断による周波数割当てにソフトバンクが反発

 懇談会が5月30日に打ち出した中間とりまとめ案には、今後の電波政策についての重要な方向性が数多く含まれている。今回の意見募集において意見が集中したのは、その中でも(1)周波数割り当てにおけるグループ性の扱い、(2)地域BWAの有効活用、という2点についてだ。

 (1)の周波数割当てにおけるグループ性の扱いとは、モバイル市場において、ソフトバンクモバイルとイー・アクセス(現ワイモバイル)、Wireless City Planning、KDDIとUQコミュニケーションズなど、恒常的に互いのネットワークを融通し合うケースが顕在化する中、今後の周波数割り当てをどのように考えていくべきかという点である。実質的にグループで一体経営されているにもかかわらず、議決権のない種類株などで議決権を3分の1以下に抑えるやり口が横行。その上で周波数の割り当てはこれまで通り、個々の企業が要望するケースが続いている点に対する整理が必要という考えからだ。

 中間とりまとめ案では、「グループ性については、議決権(3分の1以上)だけではなく、資本関係(出資比率や所有構造)、意思決定、取引関係等についても考慮して実質的に判断することが適当と考えられる。特に取引関係を重視して、周波数を恒常的に融通し合う関係にある事業者はグループとして扱うべきである」と整理した。

 つまりはKDDIとUQコミュニケーションズ、ソフトバンクモバイルとイー・アクセス(現ワイモバイル)、Wireless City Planningのような恒常的に周波数を融通し合う事業者は、全てグループ一体と見なすという判断である。中間とりまとめ案では、グループ一体と見なされた複数の事業者は「周波数の割り当てを同時に申請することを禁止する」としているほか、「周波数ひっ迫度の算定の際にグループ全体の周波数保有量を考慮する」と続けている。

 この点について、周波数保有幅が多いことでこの方針が不利に働くソフトバンクグループは、「周波数を一体運用する複数の事業者が、一の割り当てに対して、同時に申請することを禁止するべきではない」(ソフトバンクモバイル)、「グループ性の判断基準については、従来通り議決権(3分の1以上)とすべき(中略)過度なグループ性の判定は必要ない」(イー・アクセス)と猛反対の意見を寄せた。

 ただこれに対する総務省(懇談会)の考え方として「グループ概念の見直しは、電波が有限希少な国民共有の資源であることに鑑み、多様な主体に参入機会を付与する観点から行われるものであり、この方向性は維持されるべき」とソフトバンクの意見を一蹴した。

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