写真●米ガートナーのリサーチ バイスプレジデント兼最上級アナリストのドナ・スコット氏
写真●米ガートナーのリサーチ バイスプレジデント兼最上級アナリストのドナ・スコット氏
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 2013年10月15から17日までガートナー ジャパンが開催中の「Gartner Symposium/ITxpo 2013」で、米ガートナーのリサーチ バイスプレジデント兼最上級アナリストのドナ・スコット氏が「Gartner Predicts 2014:IT部門のための10大展望」と題して講演。ガートナーが予測する10の展望について、それぞれが企業のIT戦略やビジネス戦略と方向性に、どんな影響を及ぼすかを解説した。

 スコット氏は「ITの巻き起こす波紋はIT業界を超えて外にまで広がり、我々は皆その中にいる」と指摘。今後も混乱は起こり続けるとした。スコット氏の10の展望に関する識見を、講演と資料を基に以下にまとめた。

(1)3Dプリンティング:2016年までに、人間の細胞組織や臓器の3Dプリンティング(バイオプリンティング)は、人間および人間以外の使用の規制・禁止に関する世界的論争を招くだろう
 3Dプリンティングは、臓器の複製を可能にするなど社会に大きな影響を及ぼす。バイオプリンティングに携わる企業は、倫理的に容認できる範囲で研究指針を策定すると共に、知的財産の保護に関する法的側面を調査する必要がある。
(2)2018年までに、3Dプリンティングを利用した模倣や偽造によって、全世界で年間1000億米ドル相当の知的財産の損失が生じるだろう
 現状ですら、米国だけでも知的財産盗難は年額3000億ドル以上になる。3Dプリンティングは、 幅広い複製を可能にするうえに、低コストで利用しやすい。玩具メーカーや自動車部品メーカーが3Dプリンターで製品を模倣された場合、どうやって自社の製品が本物だと証明するのか。その対策が必要だ。2015年までに、著作権のある欧米の商品の模倣品がアジアで急増する。製造業と小売業のCEO(最高経営責任者)とCIO(最高情報責任者)は協力して、消費者が商品の真正性を効果的に確認できる手段を提供しなければならない。

 AmazonがKindleを発売するなど、出版ビジネスが大きく変わった。例えば、私の息子が通っている高校では、物理的に図書館がなくなって書籍がなくなり、デジタルコンテンツをダウンロードする形態になった。多くの大学でもデジタル教科書を採用している。このデジタル化の中で、どういう事業を展開するのか。あるいはどうやって自社の資産を守るのか。企業によっては、新しい領域を見いださざるを得ないだろう。

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