写真●セブンネットショッピング 代表取締役社長の鈴木康弘氏(写真:井上裕康)
写真●セブンネットショッピング 代表取締役社長の鈴木康弘氏(写真:井上裕康)
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 セブン&アイ・ホールディングス傘下でネット通販などを手掛けるセブンネットショッピング 代表取締役社長の鈴木康弘氏(写真)は2013年7月4日、日経BP社が東京・品川プリンスホテルで開催中のイベント「IT Japan 2013」で講演し、「オムニチャネル時代のセブン&アイネット戦略」と題して同社のITサービス戦略について語った。セブンネットショッピングは、コンビニエンスストア、総合スーパー、百貨店をはじめとする小売業など、様々なサービスを提供するセブン&アイ・ホールディングスのグループ会社。通販サイト「セブンネットショッピング」を運営するほか、グループのITサービス提供を一手に担う。

 鈴木氏の問題意識は「インターネットの進化によってエンドユーザーの生活が変わった。小売業界もその変化に対応していかなければならない」である。2000年代後半以降、クラウドコンピューティングの発展によってアプリケーションやデータ、またそれらを利用したサービスがインターネット上で手軽に利用できるようになった。さらにエンドユーザーの手元にはスマートフォン、タブレット端末などが普及。これらをインターネットに接続すれば、様々なサービスがどこでも同じように使える。こうした状況が一般的になった現在では、コンビニエンスストアなど現実(リアル)の店舗と、インターネットサービスをいかにシームレスにつないでいくかが課題となる。

 このような時代に合った販売チャネルの在り方を、鈴木氏は「オムニチャネル」と呼ぶ。「オムニ」とは「すべて」という意味。スマートフォンのような常に持ち歩ける端末が普及した結果、あらゆる場所で買い物ができるようになった。リアル店舗、さらにパソコンを使う家やオフィスだけでなく、通勤途中などあらゆる時間と場所でその顧客だけの販売チャネルが開くことになると、鈴木氏は説明する。

 インターネットの登場前――1995年頃より前は、顧客はモノを買う際、単純に「リアル店舗の店頭に行って買う」ことが多かった。このような販売チャネルの在り方を「シングルチャネル」という。それが1995年以降、インターネットが登場し、カタログ通販の売り上げも伸びてきた。こうなると顧客はリアルの店舗、インターネット通販、カタログ通販などを使い分けるようになる。これが「マルチチャネル」だ。

 シングルチャネル、マルチチャネルでは、顧客が購入する商品を見出してから検討し、最終的に購入するまでの流れが店頭なら店頭という1つの販売チャネルで実現される。一方、2005年頃からインターネット帯域、その上で提供されるサービスなどが次第にリッチになってくると、「クロスチャネル」の時代が訪れた。顧客はリアルの店舗やパソコンから接続できるインターネット通販など、複数の販売チャネルを行ったり来たりしながら商品の検討・購入をする。オムニチャネルはマルチチャネルの考え方をさらに進めたものだ。

 鈴木氏によれば、セブンネットショッピングのITサービスは今のところ、クロスチャネルを実現しつつある段階。これを発展させ、2015年以降にはオムニチャネルの普及につなげたいと意気込む。例えば、「テレビで最初に商品を認識し、パソコンを使ってインターネットで口コミを調べ、ネットショッピングサイトで購入手続きをし、店頭で受け取る」といった具合に、様々な販売チャネルを渡り歩きつつ、商品を購入することは現在でも可能だ。これをさらに進め、「インターネット、リアルの店舗といった垣根をなくし、お客様から見た時にわかりやすい導線で、よりストレスなく買い物を提供できるようにしたい」(鈴木氏)という。

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