写真1●AX 5630の外観
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写真2●A10ネットワークス、代表取締役社長兼CEOの小枝逸人氏
写真2●A10ネットワークス、代表取締役社長兼CEOの小枝逸人氏
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 A10ネットワークスは2012年11月29日、負荷分散装置(Web高速化装置)のハイエンド機種「AX 5630」(写真1)を発表した。モバイル端末での体感性能の向上を狙い、従来のハイエンド機種「AX 5200-11」と比べ、SSL処理性能を4倍に高めた。12月3日に販売開始し、2013年1月から出荷する予定である。価格(税別)は、4799万9000円から。開発会社は、米A10 Networks。

 負荷分散装置「AXシリーズ」のハイエンド機種である。主に、インターネットに公開しているWebシステムを高速化するリバースプロキシの用途で使う。AXシリーズがクライアントからのWebアクセスをまとめて受け付け、AXシリーズの背後に設置した複数台のWebアプリケーションサーバーにアクセス負荷を分散させて割り振る。

 AXシリーズの特徴は、CPU処理能力やSSLアクセラレーション能力に注力していることと、これらの性能を拡張できるようにしていることである。きょう体内で複数個のCPUがSMP構成で動作するほか、最大で8台のきょう体をクラスタリング接続して1台のシャーシであるかのように運用できる。一方、SSLアクセラレータは、PCI Express接続型のカードであり、複数枚を挿して利用できる。

 従来のハイエンド機種であるAX 5200-11と比べて、主にSSL処理性能を高めた。具体的には、一般的な鍵長2048ビットのSSLの場合、AX 5200-11が毎秒4万4000コネクションであるのに対して、AX 5630では約4倍となる毎秒17万4000コネクションを確立する。また、将来的に使われる鍵長4096ビットのSSLも、毎秒5万8000コネクションを確立できるとしている。

 SSLコネクションの処理性能を重視する理由を、同社社長の小枝逸人氏(写真2)は、「パソコンの時代からマルチデバイスの時代になって、帯域よりもコネクション数が重要になった。モバイル端末は、体感性能を上げるために、常時SSLで多数のコネクションを張っている。QoS(サービス品質)からQoE(体感品質)の時代になった」と説明する。

 製品の主な仕様は、以下の通り。きょう体は、3Uラックマウント型(消費電力は890W)。ネットワークポートは、同社としては初めて40GbE(QSFP+)を搭載した(4ポート)。スループットはきょう体1台で77Gビット/秒、8台構成で616Gビット/秒となる。大量のSYN(セッション確立要求)リクエストを送り付けるタイプのDDoS攻撃に対しては、毎秒1億のSYNリクエストを処理できる、としている。