日本におけるIFRS(国際会計基準)適用の在り方に関して議論している金融庁企業会計審議会は2012年10月2日、総会・企画調整部会合同会議を開催した。6月14日に開催した前回の合同会議(関連記事:「連単分離を前提に議論を深める」、金融庁審議会がIFRS適用の論点整理案を提示)から約4カ月ぶりとなる今回は、IFRSの設定主体であるIASB(国際会計基準審議会)や米国の動向説明が中心。議論の進展はほとんどなく、会議は予定時刻より20分早く終了した。

米国が結論を出すのは2013年半ばか

 会議では、米SEC(証券取引委員会)が7月13日に発表したワークプランプロジェクト(関連記事:米国の動きに見るこれからのIFRS(上)同(中)同(下))最終報告書の概要を金融庁が説明した。同プロジェクトでは米国のIFRSの取り込み方法として、IASBが公表したIFRSをそのまま取り込む「フルアドプション」よりも、米国の基準設定主体(FASB)が基準の妥当性などを検討して採用する「エンドースメント」アプローチのほうが問題が少ないとしている。

 今回の最終報告書はSECスタッフによるもので、「SEC委員会へのレコメンデーションが含まれるという話もあったが、結果的に含まれなかった」(金融庁)。つまり最終報告書では、IFRSの導入方針について「こうすべき」という提案はなされていない。今後に関しても具体的な言及はなく、「米国の関係者からは『大統領選挙が終わらないと話にならない。結論を出すのは、早くて2013年半ばではないか』との意見があった」(同)。

 日本がIFRS適用方針について「米国に従う」形を採るのであれば、まだ1年近く結論を出せないことになる。実際、委員の一人からは「米国が結論を出したらすぐに動けるよう準備すべきだが、米国の最終判断を待つべき」との意見が出た。

 会議ではほかに、委員の一人である西川郁生 企業会計基準委員会(ASBJ)委員長がIASBの審議動向を説明した。注目の一つは、「概念フレームワーク」改訂プロジェクトである。これまでは「各フェーズで段階的に議論していた」(西川氏)が、現在では(1)構成要素(資産、負債などの定義、認識)、(2)測定(公正価値測定の範囲に関連)(3)表示と開示(当期純利益、その他の包括利益に関連)、(4)報告企業の四つについて一括して検討中だ。

 プロジェクトは従来のようにIASBとFASBの共同ではなく、IASBの単独とすることが提案されている。2012年9月のIASB会議では、各国の基準設定主体を含む諮問グループを組成することも提案された。概念フレームワークの改訂は2013年上半期にディスカッションペーパーを公表、2015年9月までに作業を完了するのが目標という。

 西川氏は「概念フレームワークの改訂は日本でも関心が高い」とし、「ASBJ内に調査プロジェクトを立ち上げた。IASBとも今後、議論していく」と語った。

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