デジタル教科書教材協議会(DiTT)は2012年7月11日、文部科学省の平野博文大臣、および高井美穂副大臣とそれぞれ面会し、学校教育の情報化推進を目的とした「DiTT政策提言2012」を申し入れた。大臣、副大臣からはそれぞれ「財源措置も含め、前向きな返事をいただけた」(DiTT事務局長の中村伊知哉 慶応義塾大学メディアデザイン研究科 教授)という。

 DiTTでは2015年度中の「超高速無線LANの整備率100%、全小中学生への端末配布、全教科のデジタル教科書教材の用意」達成を目指し、実証実験や政策提言を行っている。「2015年度中」という目標スケジュールの現実味について中村事務局長は本誌の質問に答え「まだ目標の旗は降ろさない。大阪市の橋下徹市長からも一緒に推進しようという話を受けている。大阪市はモデル校の実証実験を今年から始めて、2015年には全市で展開するというスケジュールを検討していると聞いている。これから速いテンポで進める自治体も出てくるのではないか」と述べた。

 また実証実験の進め方については「積極的に取り組みたいという熱意のある自治体から先行するのが現実的ではないか。政府全体として現在の実証実験校20校を100校とか200校に拡大して、先行地域をもっと増やして欲しい」、端末普及のコスト負担に対しては「DiTTで準備している提案では国の負担としているが、本格的な議論はこれから。韓国では端末を親が負担するという議論が盛り上がっている。ウルグアイは国庫で全端末を負担した。ポルトガルは周波数オークションの収入で端末を導入した。アイデアはいろいろ出てくるのではないか」とコメントした。

 DiTT政策提言2012は協議会が4月に発表したもので、「デジタル教科書実現のための制度改正」「デジタル教科書普及のための財政措置」「教育の情報化総合計画の策定・実行」の3点から成る。制度改正に関しては、各種施策を推進するための支援法策定と、デジタル教科書を教科用図書とするための制度改正を求めている。

 財政措置については、教育の情報化対策に関する地方財政措置1673億円の実施措置率100%達成、デジタル教科書整備向けに年額約3000億円の長期的な予算措置と財源確保の検討、教育の情報化/電源確保/災害対策を自治体が実現するための予算制度(特交措置、補助金など)の創設検討を挙げている。このほか、無線LAN整備/端末配布/全教科のデジタル教材用意について、計画を策定し実行することを総合計画として提言している。

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