写真●KDDIの田中孝司社長
写真●KDDIの田中孝司社長
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 「KDDIがiPhone5を発売」という報道がメディアを駆け巡ってから週が開けた2011年9月26日、KDDIは秋冬モデル発表会を開催した(関連記事)。同社の田中孝司社長(写真)が、件の報道から初めて公の場に出てくるとあって、会場には多くの報道陣が詰めかけた。

 大方の予想通り、田中社長はiPhone発売について「現時点ではノーコメント」を貫き通した(関連記事)。だが、そのコメントの端々からは、同社の今後の戦略についての重要なメッセージが浮かび上がってきた。

「ワクワク感」から「未来は選べる」へ

 発表会において、田中社長はまず同社の1年間の取り組みを振り返った。スマートフォンへの取り組みが遅れ「なんとしてもauのモメンタムを回復したい」(田中社長)と悩む中、同社はこの1年間「ユーザーにワクワク感を与えたい」という思いを最大の行動原理としてきた。その思いは、日本独自仕様を盛り込んだスマートフォンの先駆けとなった「IS03」や、日本初のWindows Phone 7端末である「IS12T」、モバイルWiMAX対応で高速通信が可能なスマートフォンの先駆けである「htc EVO WiMAX」などに結実したとする。

 「スマートフォンで最後発だったが1年経って、ようやく最新のモデルをいち早く出せるようになった」(田中社長)と成果を実感する中、田中社長はフィーチャーフォン時代を含めて「通信事業者はユーザーに対して制約を設けすぎたのではないか」(同)と語る。その一つの例として挙げたのが、WiMAX対応のhtc EVO WiMAXのユーザー満足度の高さだ。

 同社の調査によると、テザリング機能については91%のユーザーが、スピードの速さについては82%のユーザーが「満足」あるいは「非常に満足」という結果だったという。田中社長は「ここまで満足度の高い端末はこれまで見たことがない」とし、それは「サクサク使えなかった」というこれまでのユーザーの不自由を取り去ったからにほかならないとする。

 ここで田中社長は、これからのKDDIが目指す道として「未来は選べる」というキャッチフレーズを紹介する。提供者側の論理をユーザーに押しつけるのではなく、ユーザー自らが幅広い使い方を選べるような環境を用意していく意味だ。「通信事業者の今後は、ユーザーの幅広い要望に応えられるかどうかの1点に尽きる。ユーザーの思いを受け止めて選択肢を用意すれば、業績は後からついてくる」と田中社長は語る。

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