写真1●ブレークスルーキャンプを企画したブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏
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 2011年9月19日、スマートフォンやパソコン向けサービスの開発イベント「ブレークスルーキャンプ 2011 Summer」の決勝プレゼン大会が、同イベントの協賛企業である日本マイクロソフトの本社で開催された(写真1)。

 同キャンプは、「世界を目指すサービス」をわずか2カ月で実際に作り上げる“アプリ開発合宿”である。そのために必要なオフィススペースやサーバー環境、宿泊施設が用意される。手塚治虫らマンガ家が下積み時代に住んだアパート名にならい、「スマートフォン/ソーシャルメディア時代の『トキワ荘』を作る」がコンセプトだ(関連記事)。

 同キャンプに応募したのは49チーム。このうち23チームが実際に権利を得て開発に着手、9月19日の決勝プレゼンに勝ち上がったのはそのうちの12チームである。

優勝はFacebookの写真から「cute」「cool」ボタンで選ぶマッチングサービス

写真2●優勝した「facematch」
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写真3●準優勝の「engraph」
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 この日行われたプレゼンの結果、優勝したのは、合田チームが開発した「facematch」。これは、Facebookで登録されている友人あるいは友人と一緒に写真に映っている人の中からお気に入りの人がいれば「cute」ボタン(女性が男性を選ぶ場合は「cool」ボタン)を押し、両想いの場合にはマッチングされるというサービスである(写真2)。

 準優勝は、高橋チームが開発したスマートフォン向けのソーシャル電話帳「engraph」。現在のスマートフォンに標準搭載される電話帳の問題点として、「連絡したい友達を探すのが大変」「基本情報の入力が電話と電子メールしかない」「入力が手作業中心」「サムネールにイメージが出ない」を挙げ、それらを解決した(写真3)。

 第3位は、中山チームが開発した「I'm free!」と高瀬チームの「Mutl(ミュートル)」。

 「I'm free」は、空き時間に時間をつぶすために誰かを誘うためのサービスである。従来のサービスは誘いたい人の視点に基づいたサービスだったが、I'm freeでは誘われたい人の視点で、間もなく開催されるイベントの一覧を可視化したのが特徴である。

 Mutlは、Twitterの膨大なツイートの中から、ユーザーにとって価値があるツイートを選ぶサービス。一般で話題になっている「ホットなツイート」と、自分の周囲の「Likeのツイート」を自動的に選び出してくれるというものである。

 このほかマイクロソフト特別賞として、杉山チームの「TegalStock」が選ばれた。同作品は、予選落ちしていたアプリだった。しかし決勝プレゼンの後に行われた、予選を通過できなかったグループによるライトニングトーク(ミニプレゼン)で敗者復活を果たした。

 受賞できなかった作品にも、ユニークなものが目白押しだった。面白い画像をソーシャルグラフで集めて共有する「Pics Battle」、手話の手の形と位置からその意味を調べることができる辞典「SLinto Dictionary」、世界共通の意味を持つジェスチャーを集合知によって見つけ、翻訳なしに意思を伝えあう「MIRAIGENGO」など独自の発想に基づく作品が並んだ。

わずか2カ月でほとんどのグループがアイデアを実際のサービスに

 わずか2カ月間という短期間で、ほとんどのグループが当初のアイデアを実際のサービスとして提供できるまでこぎつけた。同イベントを企画したブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏は「日本を元気にしたい。デジタルネィテイブの学生なら、世界にチャレンジできる」と語ったが、その期待にこたえるような作品の数々だった。