写真1●トヨタ自動車のネットマーケティング戦略について話すトヨタマーケティングジャパンの高田坦史代表取締役社長(撮影:新関雅士)
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 トヨタ自動車が2010年1月に営業を始めたマーケティング専門会社トヨタマーケティングジャパンの高田坦史代表取締役社長は、2010年7月13日、東京都内のホテルで開催された「NETMarketing Forum 2010」(日経BP社主催)の基調対談に登壇した。高田社長は「新しい時代にふさわしいマーケティングへ~トヨタの大転換の決意」と題して講演(写真1)。対談のモデレーターはCMOワールドワイドの加茂純代表取締役社長が務めた(写真2)。

 高田社長は、トヨタマーケティングジャパン社でこれから取り組もうとしていることを30分程度話したあと、対談形式で加茂社長の質問に答えた。

 まず高田社長は、インターネットの普及や高額商品に対する買い控え感などの影響で、ここ数年で自動車購入者の購買行動が大きく変化していることを明らかにした。

製品の認知だけでは購買行動につながらない傾向が顕著に

写真2●対談の風景。左はモデレーターを務めるCMOワールドワイドの加茂純代表取締役社長(撮影:新関雅士)
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 具体的には、ここ3年のトヨタ車全般で、X軸とY軸に「購入意向」と「興味関心」の度合いをプロットして分析したところ、相関係数はほぼ1近くであるという分析結果を示した。すなわち、消費者の興味関心は購入意向にほぼ直結していることになる。ところが最近の新製品に限定して分析すると、新製品の認知を高めることが必ずしも興味関心に結び付いておらず、購買行動に結びつかない傾向が表れているという。

 この理由として高田社長は、消費者のメディアに対する接触態度の変化を指摘した。テレビ以外にも携帯電話やパソコン、iPadなどメディアに対する接触態度が多様化し、テレビの相対的な地位が下がっているという。高田社長は「消費者が漫然とテレビを見るのではなく、自ら主体的に多くの情報に接触して取捨選択するようになっている。車は高額商品なので消費者もよく調べてから購入しようとしている」と話した。

 そもそもの課題として、高田社長は「消費者の関心が、車を所有することから便益を享受することへと移っている。これは自動車メーカーにとって大きな問題」とも指摘した。大都市における駐車場代の高騰、渋滞の悪化などによって自家用車の便益自体が低下している。そのうえ、長引く不景気で高額商品の消費に対する意欲そのものも減退しているという。

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