図1●iPhone搭載Webブラウザ「Safari」のJavaScript実行速度
ベンチマーク・サイト「SunSpider JavaScript Benchmark」で3回測定した平均値。動作環境はiPhone 3G。
[画像のクリックで拡大表示]

 米AppleのiPhone向けOSの新バージョン「iPhone OS 3.0」の提供が2009年6月18日に始まった。新バージョンにおける機能強化の中に,Webブラウザ「Safari」のバージョンアップがある。ハードウエアを強化したiPhone 3G Sとの組み合わせで高速化をうたっている新Safariだが,従来版のiPhone 3Gをバージョンアップした場合にはどうなのか。ITpro編集部でベンチマーク・テストを実施してみた。

 使用したベンチマーク・テストは,JavaScript言語処理系による演算や文字列処理の実行速度を計る「SunSpider JavaScript Benchmark」。iPhone OS 2.2.1とiPhone OS 3.0の両環境のSafariで同測定サイトのテストを実施した。JavaScriptはWebサイトのみならず,Safariのレンダリング・エンジンであるWebKitの機能の一部として,iPhoneアプリケーションの至るところで使われている。

 ベンチマークの結果を見てみると,iPhone OS 2.2.1に比べてiPhone OS 3.0がJavaScriptを3倍高速に処理できている(図1)。2009年6月8日に提供を始めた「Safari 4.0」では「Nitro Engine」としてJavaScript処理の高速化を果たしており,同種の新エンジンが搭載されているようだ。

iPhone OS 2.2.1の方が高速なJavaScript処理も

図2●「SunSpider JavaScript Benchmark」の項目別結果
正規表現の検索・置換を実施する「regexp」ではiPhone OS 2.2.1と同3.0がほぼ同じ測定結果に。
[画像のクリックで拡大表示]

 ただしすべての項目が高速化したわけではない。テスト項目別に見ると,正規表現による検索・置換を実施する「regexp」テストでは,iPhone 2.2.1とiPhone OS 3.0の値がほぼ肩を並べる結果となった(図2)。

 ベンチマーク・テストの数値では高速化が認められたiPhone OS 3.0だが,実際にWebサイトにアクセスした体感速度は「それほど変わらない」という印象だ。JavaScriptを多用するサイトは読み込むファイル容量が比較的大きく,サイトの読み込みに時間がかかるためだろう。

 一方で,メールやアドレスの補完用データなどをローカルに保存するiPhone向けGmailの利用では,若干「きびきび」した印象を受けた。iPhone向けWebアプリケーション,およびWebKitを活用したiPhoneアプリは,作り方次第で高速化する余地があると言える。