写真●決算発表に急遽出席したNECの矢野薫社長
写真●決算発表に急遽出席したNECの矢野薫社長
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 NECは2009年5月12日、2009年3月期決算を発表した。売上高は前年同期比8.7%減の4兆2156億円、営業損益は同1630億円減で62億円の赤字だった。経常損益は同2054億円減の932億円の赤字に、当期純損益は同3846億円減の2910億円の赤字に転落した。「10年3月期までに景気回復は見込めない」(矢野薫社長)とし、10年3月期の売上高の通期予想は同11.5%減の3兆7300億円とした。NECの売上高が4兆円を切るのは1996年3月期以来。

 4兆円割れに関して、この日決算発表に出席した矢野薫社長は「絶対に達成可能な予算を積み上げた結果」と説明。「営業には『予算を10%上回る受注を獲得しろ』と発破をかけている」と回避に向けた努力をぎりぎりまで続ける意向を明らかにした。

 10年3月期の営業利益は前年同期比1062億円増の1000億円を見込む。09年3月期実績から5000億円近い減収ながら営業利益1000億円以上の確保を見込むことについて矢野社長は「不採算事業の撲滅と固定費の削減で1000億円の営業利益は確保できる」と強調した。

 09年3月期の業績をセグメント別に見ると、主力の「IT/NWソリューション事業」は売上高が前年同期比5.0%減の2兆7239億円、営業利益が同358億円減の1249億円だった。景気悪化に伴う投資減速の影響などを受け、4分野すべてで前期比減収となった。前期好調だった「ネットワークシステム分野」は前年同期比7.5%減の1兆46億円だった。投資減速のほか国内移動通信業者によるシステム投資一巡などの影響を受けた。サーバーやミドルウエアなどの「ITプロダクト分野」は前年同期比5.4%減の5740億円、「社会インフラ分野」は同5.9%減の3208億円だった。「ITサービス/SI分野」は同1.0%減の8245億円と、堅調ながら微減だった。

 IT/NWソリューション事業は10年3月期は売上高が前年同期比10.1%減の2兆4500億円、営業利益が同1億円増の1250億円を見込む。引き続きIT投資削減の影響を受けるとみる。開発リソースの最適化、収益構造の見直しなどにより利益確保を図る。

 前期黒字転換したモバイル/パーソナルソリューション事業、エレクトロンデバイス事業はともに赤字転落した。

 モバイル/パーソナルソリューション事業は売上高が前年同期比7.2%減の8103億円、営業損益が同311億円減の79億円だった。モバイルターミナル分野で携帯電話機の出荷台数を伸ばしたが、パーソナルソリューション分野のパーソナルコンピュータ売り上げ減が響いた。

 エレクトロンデバイス事業は売上高が前年同期比21.4%減の6528億円、営業損益が同867億円減の793億円だった。半導体分野で前年同期比20.5%、電子部品その他分野で同25.8%売り上げが減少した。