写真●米アマゾン・ウェブ・サービシズのジェフ・バール シニアマネジャー
写真●米アマゾン・ウェブ・サービシズのジェフ・バール シニアマネジャー
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 「Wikipediaを見ると、クラウドの定義は何度も書き換えられており、人によって解釈はさまざまだ。私が一言で定義すれば、クラウドはホスティングでもデータセンターでもない“リソースにアクセスするための新たな手段”となる」---。米アマゾン・ウェブ・サービシズでクラウド・コンピューティング・ソリューションズを担当するジェフ・バール シニアマネジャー(写真)は、2009年4月10日に開催したITproテクノロジ・カンファレンス「徹底理解『Amazonクラウドサービス』」の基調講演でこう定義した。

本質でない問題は膨らみがち

 バール氏は、クラウドはホスティング、データセンターと並ぶ手段でありながら、それらと比べて柔軟性を備えていることを強調した。企業が情報システムを構築する際、これまでの手段では「リソースを多めに確保して余らせる」ことが原則だった。この場合は実際に利用するリソース量よりも高い金額を支払う必要がある。

 クラウドは利用したリソース量に合わせた課金体制となるので、高めに支払うことがなくなる。「ビジネス収益性向上に貢献できる」とバール氏は強調した。

 「ほかにも、クラウドは企業の抱える多くの問題を解決する」とバール氏は続ける。例えばデータセンターを利用する際は、ベンダーとの契約に条件交渉が必要だ。ラックやフロアの整備、使用する容量やバックアップなどのルールを決定する必要がある。しかもこれらの条件はビジネスの成長に合わせて見直していかなければならない。

 バール氏は「こうした経営判断は企業にとって必要なもので、重要度も高い」としながら、「企業のビジネスの本質ではない」と語る。「ビジネスが成長するにつれて、本質でないのに考えなければいけないことが膨らんでしまう」。

 従来の手段では、Webビジネスを始めるにあたり、アクセス数を試算し、それに合わせてリソースを用意する必要もあった。少なく見積もればアクセスが集中して顧客の満足度を下げてしまう。多く見積もれば、投資に見合わないビジネスとなる。「インフラの予測、初期費用の見積もりがしにくいと、それが理由で新しいビジネスをためらうことにもつながる」とバール氏は指摘する。

 「クラウドではこうしたビジネスの本質でない部分に費やす時間から解放される」とバール氏は強調する。

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