図 混在収容構成(発表資料から)
図 混在収容構成(発表資料から)
[画像のクリックで拡大表示]

 三菱電機は2009年2月5日,電話局とユーザー宅の端末をつなぐ光アクセスネットワークにおいて,上り下りともに現行システムの10倍となる10Gビット/秒を実現する10G-EPON試作システムを開発したと発表した。10G-EPONは,10Gigabit-Ethernet Passive Optical Networkの略で,1本の光ファイバーに複数の加入者を収容する通信技術のことである。伝送レートは10Gビット/秒である。

 現在,ユーザー宅の光回線終端装置(ONU)と,電話局の局内装置(OLT)をつなぐ光アクセス・システムとしては,一つのOLTで複数のONUを収容するGE-PON方式が採用されている。これを10Gビット/秒に高速化するためには,「各ONUから高速に送出される光信号を短時間で確実に処理できるOLTの実現が課題」だっという。また,システム移行に向けては既存設備を有効活用のために,「1Gビット/秒の既存加入者と10Gビット/秒の新規加入者が混在したままの収容」を実現する必要がある。今回の試作システムは,この高速化と混在の両方を実現した。

 高速化に向けては,複数のONUからの信号を的確に識別するOLTを開発した。ONUからOLTへの信号が互いに衝突しないように,時間を区切ってタイミングをずらしながらバースト状の信号として送出する時分割多重方式が採用されている。このバースト信号は,光ファイバーの距離により受信レベルの強さや波形のゆがみが異なるため,高速化すると従来技術では短時間で識別して処理することが困難だったという。

 10Gビット/秒ユーザーと1Gビット/秒ユーザーの混在収容に向けては,下り方向にWDM(波長分割多重)技術を適応した。1Gビット/秒では従来と同じ波長を使いながら,10Gビット/秒では異なる波長を利用する。この結果,1Gビット/秒ユーザーは,従来のONUをそのまま利用できる。

 試作した10G-EPONシステムは,検討が進む10G-EPON標準規格IEEE802.3avに準拠する。三菱電機は,数年後の商用化を目指す。NGNNのサービスグレードにも対応できる通信品質,セキュリティー機能向上,高集積化による小型化および低消費電力化を進める。

[発表資料へ]