米Microsoftは2008年10月28日(米国時間)午前,カリフォルニア州ロサンゼルスで開催している開発者会議「Professional Developers Conference(PDC)2008」2日目の基調講演で,売れ行き好調なのに非難されがちな「Windows Vista」の後継OS「Windows 7」を発表した。同社はWindows Vistaで寄せられた批判をすべて打ち消すと宣言し,2009年終わりから2010年初めにかけてリリースする予定のWindows 7は,見た目の改善と高速化を図り,ユーザーの煩わしさを減らすと約束した。

 Microsoft上級副社長のSteven Sinofsky氏は「計画立案と開発作業を見直したことで,パートナにWindowsのこの素晴らしい新バージョンを紹介し,対応し始めてもらうための体制をきちんと整えられた」と述べた。「本日このPDC 2008の場でWindows 7の開発者向けプレベータ版を提供できて,非常にうれしく思う」(Sinofsky氏)

 まるで米AppleのCEO,Steve Jobs氏のようにSinofsky氏は,Windows 7を初披露するプレゼンテーションを行い,興奮を求めていた聴衆を大喜びさせた。聴衆の反応は素早く,しばしば拍手喝采し,イベント慣れした人々は何度も何度も感銘を受けた様子で,Sinofsky氏は新機能を紹介していった。

 一見すると,Windows 7はWindows Vistaにとてもよく似ている。ところが,実際にはあらゆる部分が微調整でいろいろと改善されており,全体的な操作性が向上した。Windows 7はWindows Vistaよりも起動時間が短く,高速に動き,ハードディスク装置の使用量が減り,性能が上がり,カスタマイズもしやすくなる。Sinofksy氏によると,現在「Windows XP」付きで出荷されているようなローエンドのノート・パソコンでも快適に使えるという。同氏は聴衆に対し,普段使っているパソコンのプロセッサは動作周波数1GHzの「Atom」で,メモリーは1Gバイトしか積んでいないと話した。

 家庭ユーザー向けとして,Windows 7は新たな大量のデスクトップ機能,単純な共有/家庭内ネットワーキング機能,家庭内のどこからでもデバイスをリモート・コントロールできる強化版メディア・プレーヤ,デジタル・ビデオ・録画ソフトウエア「Media Center」の新版を提供した。Windows Vistaユーザーを怒らせている元凶のユーザー・アカウント制御(UAC:User Account Control)機能は,Windows 7で大幅に警告強度を下げ,滅多にメッセージが出ないようにした。さらに,Windows 7は深い層にマルチタッチ機能を組み込むため,次世代デバイスで新たな操作方法を採用できる。

 Sinofsky氏は10月26日に行われたミーティングの際,「Windows Vistaで大げさな約束をしたにもかかわらず,小さな成果しか上げられなかったようだ」と口にした。「だからと言って,Windows 7で約束を控えめにしながら大きな成果を上げる,ということもできない。どちらも褒められたことではない。今度は約束した通りのものを提供しよう」(Sinofsky氏)

 10月最終週に目撃した情報から判断すると,これがまさにMicrosoftの行っていることなのだ。Windows Vistaの大失敗を経て,これこそ同社の顧客が要求していることである。

 筆者はすでにWindows 7を数日間使っている。SuperSite for Windowsに大量の記事を書き,スクリーンショットもたくさん掲載した。

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