総務省の情報通信審議会は2008年2月20日,NTT東西地域会社が2008年1月9日に認可申請した光ファイバ接続料(関連記事1関連記事2)に関する意見募集の結果を公表した。寄せられた意見は合計12件。反対意見が大半であるが,ファイバを利用する側のソフトバンクやKDDIは「高すぎる」とし,ファイバを提供する側の電力系事業者は「安すぎる」と主張。反対意見が両極端に分かれた。

 ソフトバンクやKDDI,イー・アクセスは接続料水準をもっと低廉化すべきという立場で反対する。ソフトバンクは「今回申請された接続料水準は現行と大差のない高い水準。光ファイバの部分だけに着目すると,NTT西日本は値上げしている。より多くのユーザーが光アクセスを利用できるように,さらなる低廉化に向けて検証を深める必要がある」と主張する。

 具体的には,「将来原価方式の算定期間を可能な限り長くする」「光ファイバの耐用年数を30年以上に設定する」「需要予測や費用予測,効率化係数といった算出パラメータに関する十分な情報をNTT東西に開示させるべき」といった点を挙げる(関連記事3)。ソフトバンクの提案に基づいて算定し直すと,シェアドアクセスの光主端末回線接続料は現行の5020円/回線から約2800円/回線になる(NTT東日本の場合)といった試算も添付している。さらに設備を共用した1分岐貸しを導入すれば,同社が主張する月額617円の接続料を実現できるとする。

 このほか,「FTTHの普及促進には加入者光ファイバ(1心単位)の接続料の低廉化と,シェアドアクセスの1分岐単位の接続料設定による公正競争確保の両方を実現すべき」(KDDI),「接続料金の適正性について再度検討し,FTTH市場の発展のための競争促進策について早急に結論を出すべき」(イー・アクセス)といった意見が出ている。

 NTT東西が導入を要望している「かい離額調整制度」についても「予見性および公平性の観点から認めるべきではない。仮に予測と実績にかい離が生じた場合は算定期間中でも接続料を算定し直し,再度申請することが現行制度上でも可能」(KDDI)と反対の意見である。

NTT東西と接続事業者,他の設備事業者で公平性を保つべき

 これに対して電力系事業者は,接続料水準を低廉化すべきではないという立場。NTT東西が現在よりも安い接続料で光ファイバを貸し出せばソフトバンクやKDDIが安価なサービスを提供しやすくなり,電力系事業者は対抗値下げを余儀なくされる。「光ファイバは接続料の水準次第で競争環境に多大な影響を与える。NTT東西,KDDIなどの接続事業者だけでなく,自ら光ファイバ網を構築してNTT東西と競争している事業者も含めた,3者間における公平性が保たれるべき」(ケイ・オプティコム,東北インテリジェント通信)と主張する。

 具体的な意見としては,光ファイバの耐用年数の延長に反対する意見が多かった。「光ファイバを使ったサービスが普及し始めたのはここ数年で,どの程度の期間利用できるかは未知数。このような状況で,現在10年間としている耐用年数を大きく延ばして原価算定に用いるのは時期尚早。実態を把握しないまま耐用年数をむやみに延ばすことはコストの予測と実績の大きなかい離を生む原因になる」(STNet)とする。

 このほか,「適正なコスト回収という観点からも実績原価方式で算定するのが望ましい」「算定期間は極力短くすべき」など,より実績に近い接続料の設定を求める意見が出ている。

 NTT東西は今回,かい離額調整制度の導入を要求する意見を提出。「現行の接続料規則で規定されている実績原価方式のかい離額調整制度と同様のもの。将来原価方式は実際費用方式の1種類であることから当然認められるべき」としている。

 情報通信審議会は今回の意見を踏まえ,3月5日まで再意見を募集する。

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