写真●ITジャーナリストの林信行氏
写真●ITジャーナリストの林信行氏
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 「携帯電話機向けWebブラウザとして『Safari』を支持するメーカーの占める市場シェアが,いつのまにか72%にもなっている。Web業界はもはやSafariを無視できない」--。2007年末に「iPhoneショック」を上梓したITジャーナリストの林信行氏は2008年1月30日,「ITpro EXPO」の講演で,米AppleのiPhoneが携帯電話業界全体を変えつつある現状を訴えた。

 ITproでも「iPhoneの衝撃」を連載している林氏は冒頭,自身の講演で使用しているプレゼンテーション・ファイルが,実際には携帯電話機上で開かれていることなどを引き合いに出しながら「いまや携帯電話機は,ユーザーにとって一番身近なデジタル機器になっている」と訴える。

 林氏は「今でも,赤外線通信に対応している携帯電話機は,テレビのリモコンとして利用できるし,『muPass』のように,赤ちゃん向けの玩具を携帯電話機で遠隔操作できるサービスも登場している。将来的には,あらゆるデジタル家電が,携帯電話機で操作できるようになるだろう」と述べ,「携帯電話機を押えれば,デジタル家電を押えられるといっても過言ではない」と強調した。

 林氏が「iPhoneショック」を執筆した動機も,携帯電話機がより重要になっている中で,これまでデジタル家電を制していた日本メーカーが,携帯電話機市場で存在感を失っていることに危惧を感じたからだという。

今や「iPhone+Androidショック」に

 林氏は,ただいたずらに「iPhoneは凄い」と言っているわけではない。今回の講演でも,林氏がiPhoneの前に話題にしたのは,米Googleが発表した携帯電話機プラットフォーム「Android」であった。現在,韓国サムスン電子,米Motorola,韓国LG電子の3社がAndroidを支持しており,この3社で携帯電話機市場の34%を占める。携帯電話機市場トップであるフィンランドNokiaのシェアが37%であり,Android陣営のシェアはトップに匹敵する水準になった。

 その上で林氏は,Android陣営とNokia,AppleのiPhoneに,重要な共通点があると指摘する。それは,これらのメーカーが,パソコン用と同じWebサイトを携帯電話機で閲覧する「フル・ブラウザ」として,Safari(とその同等技術)を採用している点だ。

 「iPhoneが登場するまで,米国における携帯電話機の用途といえば,まず通話であり,Webブラウジングはさほど重視されていなかった。しかしiPhoneが登場することで,ドラマやコメディでも携帯電話機でWebを見る様子が報じられたことから,iPhoneを含めたスマートフォン全体の売れ行きが伸び,米国でも携帯電話機でPC用のWebを見る時代が到来した」(林氏)。そのような状況下で,携帯電話機市場における72%のシェアを占めるメーカー(Nokia,サムスン,Motorola,LG)が支持するWebブラウザがSafariになったことに注目すべきだと,林氏は指摘する。

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