驚いたことに,米Microsoftがインターネット市場のライバルである米Googleに降伏した。Microsoftは「Windows Vista」の設計を変更し,Googleのデスクトップ検索ソフトウエアがより密接にWindows Vistaと連携できるようにする。この設計変更にともない,MicrosoftはWindows Vista用サービス・パック1(SP1)のリリース・スケジュールまでこっそり変えてしまった。

 Windows Vista SP1は,当初は2007年末までにリリースされる予定だった。しかし現在のスケジュールでは,2007年末にリリースされるのはSP1のベータ版になるという。SP1の遅れは,このデスクトップ検索機能に関する変更が原因だろう(関連記事:Microsoft,Googleの申し立てに応じVistaのデスクトップ検索機能の仕様を変更へ)。

 Microsoftのある関係者は筆者に6月19日(米国時間)の夜遅く,「当社は,Googleが申し立てたWindows Vistaのデスクトップ検索機能に関する問題を解決するため,関係各州および米司法省(DOJ)とのあいだで合意に達した」と語った。Microsoft上級副社長兼顧問弁護士のBrad Smith氏は,「すべての州およびDOJと合意したことで,関係者の懸念を解消し,全員が前進できることをうれしく思う」と話している。これまでMicrosoftは,Googleの申し立てを「根拠がない」としていた。

 この合意により,Microsoftは以下の対応を実施する。

・Windows Vistaで現在サード・パーティ製Webブラウザやメディア・プレーヤをデフォルト・プログラムとして指定できるのと同様,デフォルト・デスクトップ検索プログラムの選択手段をユーザーとパソコン・メーカーに提供する

・Windows Vistaの「スタート」メニューと「エクスプローラ」用ウインドウにデフォルト・デスクトップ検索プログラムへのリンクを設け,(Windows Vistaの)「インスタント・サーチ」とサード・パーティ製デスクトップ検索機能のどちらでも選べるようにする

・Windows Vistaで最適な動作が可能なデスクトップ検索プログラムを作成できるようにするため,情報を開発者に提供する

 Microsoftは,2004年の独占禁止法(独禁法)違反判決にともなう和解条件の順守状況を詳しくまとめた共同報告書の最終版(27ページある)も提出した。この報告書には,デスクトップ検索機能の変更に関する詳細な追加情報が含まれている。それによると,MicrosoftはWindows Vista SP1で変更を実施する計画で,SP1のベータ版は2007年末までにリリースするという。さらに「Googleの『Windows VistaがGoogleのデスクトップ検索機能の速度を遅くしている』という申し立ては的外れ」と指摘した。Googleの主張に反し,Windows VistaがGoogle製ソフトウエアを低速化することはない。単に,同等の機能を持つデスクトップ検索プログラムが存在し,同時に動いてそれぞれ独自の検索用インデックスを作成するため,パソコンの動作が遅くなっているのだ。

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