米Microsoftが強力に推進しているにもかかわらず,オンライン・サービス「Windows Live」や「Microsoft Office Live」の業績は,米Googleや米Yahoo!などのライバルを大きく下回っている。スイスUBS Investment ResearchのアナリストであるHeather Bellini氏は,「Microsoftのオンライン・サービスは,どのような評価基準でみても失敗」と指摘した。

 インターネット事業部門のMSNを分割し,オンライン製品/サービスの大部分を新しい「Windows Live」ブランドで展開するというMicrosoftの決定は,Ray Ozzie氏の入社後に下された。同氏は,2006年にチーフ・ソフトウエア・アーキテクトに就任した。ところがMicrosoftは,Office LiveとWindows Liveのいずれにも既存ソフトウエア製品を補完する役目を与えている。そして,Microsoftがオンライン・サービスと既存製品による売上高の“共食い”を恐れたことで,そのような恐れを持たないライバルに苦しめられた。

 Bellini氏は,Microsoftの数字を「壊滅的」とした。2005年終わりにWindows LiveとOffice Liveを発表してから,11%だったMicrosoftの全世界におけるオンライン検索市場のシェアは8%に下がった。その一方,大手のGoogleは56%を65%に増やした(Yahoo!の市場シェアは同期間で21%が19%に減ったものの,まだMicrosoftとの差は十分ある)。米国内の結果も同様だ。米国における市場シェアは,Microsoftが16%を11%に下げ,Googleが35%を47%に上げた。

 Googleは,広告収入でも相変わらずMicrosoftをリードしている。Googleが2006年に全世界の総売上高245億ドルのうち105億ドルをオンライン広告で稼いだのに対し,Yahoo!は56億ドル止まり,Microsoftに至ってはわずか16億ドルしかなかった。MicrosoftとYahoo!は,このような流れに対抗する目的で2006年に広告エンジンの大幅な変更を繰り返したが,変更が奏功するかどうか現時点ではまだ分からない。

 Bellini氏などのアナリストらは,Microsoftにオンライン・サービスで攻勢を強めるようアドバイスしてきた。改善方法としては,デスクトップ向け製品との共食いをあまり懸念しないようにすることが考えられる。例えばMicrosoftは,OfficeアプリケーションのWebサービス版を出し,Web上でWindowsの機能をより多く提供していけばよい。それとは逆に,Windows Liveの各種サービスをWindowsに直接取り込むことも検討するのだ。今もMicrosoftはWindowsを使うメリットが得られるとして両オンライン・サービスを推奨しているのだから,1パッケージ化が不可能な理由などない。

 米メディアZDNetのブロガーMary Jo Foley氏が「All about Microsoft」ブログに書いた記事によると,現在Windows Liveプラットフォーム・グループを監督しているMicrosoft副社長のBlake Irving氏が辞任するという。多分Microsoftは,やっと積極的な姿勢を取り始めたのだろう。

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