米Microsoftは「Windows Vista」のセキュリティ機能を開発する際に,米国家安全保障局(NSA)から協力を得たらしい。この情報が1月第2週(米国時間)に明らかになった後,Microsoftは最終的にNSAの関与を認めた。NSAは,暗号解読者チームをMicrosoftに派遣してWindows Vistaのセキュリティ機能を検査させ,フィードバックや変更の提案を行った。さらにNSAは,米国政府が使っている既存のソフトウエアとWindows Vistaとの互換性も確認した。

 NSAセキュリティ・ホール分析&対応担当チーフのTony Sager氏は同じ週,米Washington Post紙に対して「すべての人々のセキュリティ確保を助けたいのだ」と述べた。NSAは,以前もMicrosoftによる「Windows XP」「同2000」向けセキュリティ最適実例集の作成に協力した。この両OS向け事例集はいずれもOSの完成後に作られたのに対し,今回のWindows Vistaの件は,NSAがOSの一般提供前にMicrosoftを手伝った初めての例となる。NSAによると,Windows Vistaの検査はチームが2つに分かれて行ったという。1つ目のグループが悪意のあるハッカー役を務め,同OSへの侵入を試みた。もう一方のグループは,Windows Vistaのセキュリティ機能の初期設定を決めるMicrosoftの作業を支援した。

 これまで通りプライバシ専門家たちは,NSAのWindows Vistaに対する関与を懸念し,「秘密のバック・ドアを仕掛けた可能性がある」と心配している。これまで何度か浮かんだ同様の疑いは誤りであったと証明されており,MicrosoftはNSAへの情報提供の事実を否定してきた。NSAは,「Windows Vistaのセキュリティ設定を決める手伝いをしただけで,ソース・コードにはアクセスしていない」としている。

 MicrosoftはNSAから支援を受けたと認めただけで,NSAのWindows Vistaに対する関与の件でコメントすることを拒否している。さらにMicrosoftは,「米国立標準技術研究所(NIST)や北大西洋条約機構(NATO)といった政府関係機関からも,Windows Vistaを検査したいとの申し出を受けた」とした。

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