写真1 グローバルナレッジネットワークの横山哲也取締役技術担当
 「実は,どのアプリケーションがWindows Vistaで動かなくなるか,Windows XP上で調べられる。マイクロソフトが無償提供している『Microsoft Application Compatibility Toolkit』を使って,アプリケーション互換性の調査をしてみてはどうだろうか」---システム管理者向けイベント「TechEd 2006 Yokohama」で,グローバルナレッジネットワークの横山哲也取締役技術担当(写真1)はこう呼びかけた。

 横山氏が紹介した「アプリケーションがWindows Vistaで動くかどうか,Windows XP上で調べられるツール」とは,現在マイクロソフトがベータ版を公開している「Microsoft Application Compatibility Toolkit(ACT) 5.0」に含まれる「Compatibility Evaluator」というツールだ。

 Compatibility EvaluatorをWindows XPまたはWindows Server 2003で起動すると,同ツールはOSで稼働する他のアプリケーションの挙動を調べ,そのアプリケーションがWindows Vistaでどう振る舞うか調べてくれる。

 ACT 5.0には,いわゆるインベントリ収集機能(クライアントPC構成情報の収集機能)が含まれており,Compatibility Evaluatorを配布することで,社内のクライアントPCにWindows Vistaでトラブルを起こすアプリケーションがどれくらい稼働しているか一元調査できる(ACTの詳細については,関連記事「本当はすごい『Windowsの互換性維持』」を参照して頂きたい)。


写真2 マイクロソフトの公開データベースに登録されているアプリケーション互換性問題情報。32ビット・プログラムなのに「16ビット・アプリケーション」と登録されるなど,間違った情報が登録されているケースもある。
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 「アプリケーションがWindows Vistaでどのようなトラブルを起こすのか,ACT 5.0を使ってマイクロソフトのデータベースを参照できる。しかもこのデータベースは,マイクロソフトだけがテータを登録しているわけではない。一般ユーザーもトラブル情報を登録している『Web 2.0』的なものだ。現状では精度がよくない情報も登録されている(写真2)。だが,データを登録するユーザーが増えれば,情報の精度も上がるだろう」と横山氏は語る。

 横山氏は「『未熟な問題解決者とは,解くべき問題を定義する時間を惜しんで,解答に飛びつくもの』という言葉がある。まずは,Windows Vistaでどのような問題が起きるのか,じっくり調査して頂きたい」と呼びかけている。

 それでは,Windows Vistaでどのようなアプリケーションが,なぜ動かなくなるのか。横山氏の解説を紹介しよう。

「過去最大の互換性維持努力」


写真3 Windows Vistaに登録された「プログラムの互換性アシスタント」。互換性問題をOSが指摘する。
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 横山氏はセッションの冒頭,「Windows Vistaでは,過去のほとんどのアプリケーションはそのまま動作するだろう」と述べた。「マイクロソフトによる互換性維持の努力は,バージョンが上がるたびに強化されているし,担当者も増えていると聞いている」(横山氏)。またWindows Vistaには「プログラムの互換性アシスタント」というプログラムも内蔵されている(写真3)。これは互換性問題を起こしそうなアプリケーションを,OSが警告してくれる機能だ。

 写真3は,マイクロソフト製マウス・ドライバ「IntelliType Pro 5.x」をWindows Vistaで起動すると出てくる画面である。このマウス・ドライバがWindows Vistaに対応していないことや,最新のドライバ・プログラムのありかを,OSがユーザーに教えてくれるわけだ。

 横山氏はアプリケーションが動かなくなる理由を「一般的な互換性問題」と「Windows Vista固有の互換性問題」に大別する。一般的な互換性問題とは,例えばアプリケーションのインストーラなどに実装されているOSのバージョン・チェックなどである(Windows Vistaでは内部バージョンが「6.0」になる)。「これらはMS-DOSのころからある問題であり,解決策も用意されている」(横山氏)。

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