半年にわたって議論を重ねてきた竹中平蔵総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が,このほど報告書案をまとめた。自民党の通信・放送産業高度化小委員会も対抗案を打ち出すなど,通信・放送改革がいよいよ佳境に入った。

 両者の改革案には対立点も多く,落としどころが見えない部分が残る。一方で一致点も見えてきた。その一つが,NHKに本格的なインターネット進出を認めるという方針である。NHKがコンテンツを有料でインターネット配信し,収入を得ることを可能にしようというのだ。早ければ2007年に実現する見通しである。子会社化による進出になるかもしれないが,半世紀にわたって受信料を財源に公共放送を提供してきたNHKの経営形態が大きく変わる。

 「選択制サービス」――。NHKの橋本元一会長は,インターネットを通じて提供するサービスについて,こう表現する。これまでNHKは,視聴者がNHKの番組を見ている見ていないにかかわらず,テレビ受像機を持っている世帯から受信料を徴収してきた。一方でインターネットでは,見たい人だけがその対価を払う選択制にするという。パソコンなどに映像コンテンツを有料で配信する見込みである(詳細は日経ニューメディア2006年6月5日号に掲載)。