写真1●生酒の箱に温度センサー付きの無線ICタグを付けて管理する
写真1●生酒の箱に温度センサー付きの無線ICタグを付けて管理する
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写真2●センサーから取得した温度情報
写真2●センサーから取得した温度情報
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写真3●温度センサー付きの無線ICタグ。電源を内蔵し、湿度センサーも持つ
写真3●温度センサー付きの無線ICタグ。電源を内蔵し、湿度センサーも持つ
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 NTTデータ、トッパン・フォームズ、日本アクセス、日野自動車の4社は3月9日、ICタグを利用した商品流通時の温度管理実験を行うと発表した。3月27日から4月10日まで実施する。

 実験は、温度管理が重要な生酒を対象とする。出荷元の蔵元として、吉乃川(新潟県長岡市)と末廣酒造(福島県会津若松市)が参加。蔵元から出荷した後の(1)トラックでの配送中、(2)冷蔵倉庫での保管、(3)小売店舗までの流通のそれぞれで、常に適温が保たれているかをICタグで管理する。(3)には、マルエツの東京・立川市の1店舗が参加する。

 ICタグは、生酒の箱単位と各ビンに付ける(写真1)。箱に付けるタグは温度および湿度センサーを備えており、無線の通信サービスを利用してNTTデータのセンターに温度/湿度データを常時送信して管理する(写真2)。ビンに付けるICタグは商品管理用で、センター側で各箱の温度状態データと結びつけている。小売店舗で、消費者がスーパーの情報端末(ICタグのリーダー)に生酒のビンをかざすと、温度管理状況や蔵元からのメッセージを表示する仕組みだ。

 箱に付けるICタグは電池を内蔵するアクティブ型で、10メートル程度の無線通信が可能(写真3)。300MHz帯で通信する。開発元のトッパン・フォームズは、「従来に比べて小型化し、価格は3分の1、消費電力は5分の1程度にした。現在は1個1万5000円程度だが、ゆくゆくは5000円程度にしたい」(情報メディア統括本部宇高恵一取締役)という。ビンに付けるICタグは、通信周波数は13.56MHzのパッシブ型である。

 実験システムを構築したNTTデータは、「これは実験のための実験ではない。必ず実用化に持っていく。実際の流通過程での箱やタグへの衝撃の把握など、実用化を視野に入れた実験だ」(ビジネスソリューション事業本部吉川明夫CRMサービスユニット長)と強調する。トッパン・フォームズの宇高取締役は、「流通している過程で状況を把握し、流通中の商品温度を上げ下げするといった制御も可能になるはず」と次の絵を描く。