NTTドコモの夏野剛執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長(左)とタワーレコードの伏谷博之社長兼最高経営責任者(右)
NTTドコモの夏野剛執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長(左)とタワーレコードの伏谷博之社長兼最高経営責任者(右)
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 NTTドコモとタワーレコードは11月7日,業務提携を目的とした資本提携について合意したと発表した。NTTドコモは11月下旬をめどに,タワーレコードの発行済み株式の約42%を増資引き受けなどにより取得する。取得金額は約128億円となる予定。これに伴い,NTTドコモからタワーレコードへ非常勤取締役を派遣する見込みだ。

 具体的な業務提携の内容として,(1)タワーレコード店舗における「おサイフケータイ」の活用,(2)音楽コンテンツと音楽情報における協業--の二つを明らかにした。(1)はおサイフケータイによるクレジット決済の導入や,クーポン券や新曲情報を携帯電話に提供する「トルカ」と連携したサービスなどを予定する(関連記事)。(2)は楽曲視聴サービスや新譜情報,アーティスト情報の配信などを手掛けるとしている。

 注目される楽曲配信サービスについては「積極的に深く検討を進めている」(NTTドコモの夏野剛執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長)とするも,具体的なサービス開始時期は未定とした。

資本提携によりおサイフケータイでのWin-Win関係を狙う

 NTTドコモの狙いは,おサイフケータイの事業拡大。業務のみの提携でなく資本提携まで踏み込んだのは,おサイフケータイはiモードと異なりトラフィック収入に直結しないためだ。iモードでは,提携先へのアクセスが増えればNTTドコモは自動的に収入が増える仕組みだった。しかしおサイフケータイではNTTドコモの収入には直結しにくい。「連結対象とするため,タワーレコードの利益が拡大するとNTTドコモの利益も得られる。お互いのシナジー効果を出しやすい」(夏野執行役員)。

 一方のタワーレコードは,携帯電話での音楽配信やクリック・アンド・モルタルによるCD販売など販売チャネルの拡大が狙いだ。伏谷博之社長兼最高経営責任者は,6年連続でCDの総売上高が減少していることを例に挙げ,「パッケージ販売の市場は年々縮小している」と現状を説明。楽曲の販売チャネルを増やすことで,音楽市場の拡大を狙う方針を示した。「携帯電話は音楽の販売チャネルとして非常に魅力的。NTTドコモは加入者が多く,技術にも強い企業」(伏谷社長)と,NTTドコモと提携した理由を説明した。

(白井 良=日経コミュニケーション