米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は9月13日、米ロサンゼルスで開催された開発者向け会議「Professional Developers Conference(PDC)05」の基調講演で、次期Office製品にあたる「Office 12」(開発コード名)を初公開した。またd同講演では、次期Windows製品として開発中の「Windows Vista」をターゲットにした、新しいユーザーインタフェースや開発環境をデモ。Office 12と併せた“次世代プラットフォーム環境”への対応を開発者に呼びかけた。

PCD05の会場となった米ロサンゼルスのコンベンションセンター 基調講演で、Windows Vistaで新しいアプリケーション環境が拓けることをアピールする米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長兼チーム・ソフトウエア・アーキテクト

 Windows VistaとOffice 12は共にタイミングを合わせて、2006年後半に出荷される計画。また、Windows Vistaについては、今回のPDC05で2回目となるベータ版(ベータ1)の提供が行われたが、Office 12のベータ版の提供は今秋の予定である。

 WindowsとOfficeというマイクロソフトの二大製品のバージョンアップを控え、2年ぶりの開催となる今回のPDCに対する各国開発者の関心は高い。一方で、マイクロソフトは、ビル・ゲイツ会長以下、グーグルやヤフーなど、台頭するブラウザーベースのWebサービス陣営にはない、次世代Windows環境の使い勝手の良さを強調するのに懸命。基調講演の時間は予定を1時間オーバーし、多様なデバイスのサポートや、使いやすい開発ツールの提供といった点まで含めた優位性を、開発者に向けて猛烈にアピールする場となった。

Office 12は「コマンドタブ」で操作性アップ

 初公開となったOffice 12のコンセプトは、「よりよい結果をより早く」(ゲイツ会長)である。

 そこで新たに実装される予定の機能の1つが、WordやExcel、PowerPointに搭載される新しい「タブ」機能だ。これは、WordやExcelなどの画面上部に、ユーザーの操作に合わせて表示される大きめのアイコンの操作ボタンで、従来のツールバーメニューに代わるものである。

 表示内容によっては、従来のツールバーとの違いが分かりにくいが、一目でそのボタンの機能が分かりやすいに工夫されており、ボタンからメニューを選ぶことで、すぐに画面表示の変更などができるようにする。というのも、例えば現行のWord 2003では35のツールバーに1500以上の実行メニュー(コマンド)があるなど、すぐに必要な機能を探し出しにくいからだ。

Office 12では、Excelに実装された「タブ」機能ボタン。表示内容によっては、一見すると従来のツールバーと同じに見えるが、全体が分類ごとに区分けされている Office 12では、PowerPointのタブ機能ボタンからは連関図も選びやすくなる

 例えばPowerPointではタブ機能ボタンのメニューから、連関図などを一目で選べる。このメニューは開発者側でカスタマイズすることも可能。例えばExcelでデータを抽出する際、時計のアイコン付きのメニューで「昨日」「今から12時間以内」といったデータを選ばせるような作りにすることも可能だ。

タブ機能ボタンは、「昨日のデータ」「今から12時間前までのデータ」をメニューで選べるようにするなど、開発者がカスタマイズすることもできる Office 12のExcelでは、セル内の数値に合わせてその背景に棒グラフを表示したり、数値の増減に応じて上下の矢印などを表示できる

 また、Excelについては、セル内の数字の大きさに応じてセル内の背景に棒グラフが描かれたり、以前と比べて数値が増えていれば緑色の上向き矢印、減っていれば下向きの赤色の矢印を横のセルに表示したり、セル中の売り上げの数字が少ないところは赤、十分なところは緑といったように、自動的にランク分けでセルの色を塗り分けることも可能だ。こうした表示効果は従来のExcelでも設定次第で可能だが、これは「よりよい結果をより早く」を狙った新機能である。ちなみにWindows Vistaではファイルオープン画面の中に、Excelファイルの内容のイメージなども表示されるようになり、目的のファイルを見つけやすくなる。

Office 12のExcelでは、売上高のランク付けなどでセルの色を塗り分けることも簡単にできる Windows Vistaのファイルを開く画面ではExcdelファイルの内容もプレビュー表示される

 Wordについては、「Live Preview」技術により、メニューからフォント(書体)を選んだだけで、適用しなくても、開いている文書に新しいフォントが適用された状態がプレビュー表示される。設定効果を確かめながら作業ができるというわけだ。

 Outlookは、Windows Vistaでも搭載するインデックス型の検索機能を標準装備する。さらに添付のPowerPointのファイルをその場で開いて見ることができたり、同社のグループウエアサーバー「SharePoint」上にあるファイルを一覧表示して動的にその情報を反映させることも可能だ。

Office 12のWordのメニューと、コマンド機能ボタン。ユーザーが選択しやすいように大き目のアイコンと概要を表示 インデックス型の検索機能を標準で備えるOffice 12のOutlook

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