このたび日経NETWORK編集部は、「みるみるわかる!ネットワーク」というムックを発売しました。豊富なイラストや写真を掲載し、それらを眺めるだけでネットワークの仕組みを理解できちゃう、というコンセプトのムックです。

 日経NETWORKのムックといえば、「絶対わかる!超入門シリーズ」があります。累計で何十万部も販売されている人気のシリーズですが、今回の「みるみるわかる!ネットワーク」はあえて、このシリーズとは別としました。

 その背景には、「みるみるわかる!ネットワーク」を企画するきっかけとなった読者の声があります。「絶対わかる!超入門シリーズ」もネットワーク技術をわかりやすく解説するというコンセプトに基づいて作られていますが、「それでも難しくてわからない」「もっとやさしいムックはないのか」といった声が寄せられました。そこで今回、まるっきりの初心者にも理解できるネットワーク解説本が必要だと考えるに至ったわけです。

 従来からの「絶対わかる!超入門シリーズ」も初心者を意識していますが、あくまでネットワーク技術者を目指している読者を前提としています。これに対し、「みるみるわかる!ネットワーク」は、「どこにでもあるネットワークの仕組みを知りたい」という知的好奇心を抱いた一般読者や、情報学科を学ぶ生徒・学生など、広い読者をターゲットにしている点が大きく異なります。

 今回のムックの中身は、本誌の記事をベースに構成するという意味では、「絶対わかる!超入門シリーズ」と同じです。ただ、「初心者向け」「イラストや写真を多用」「見やすいカラーページ」の3点を主眼に置いて、掲載する記事を厳選しました。逆に言うと難しい記事は載せていないので、どこを読んでもわからないところはないということになります。少なくとも、イラストや写真を眺めるだけで“わかったつもり”になれるはずです。

 なお、上記の三つの条件に合う記事を選んだ結果、古めの記事も載せることになりました。そのため、それらの記事をムックにまとめる作業で少々苦労した点があります。

 一つには、記事の内容自体が古くなってしまったため、現状に合わせて書き直す部分が少なくなかったことです。過去記事をまとめてムックにする際には付き物の作業ですが、ネットワーク分野は技術の進歩と陳腐化が激しいので、あちこち手を入れる必要が出てきます。

 例えば無線LAN規格のIEEE 802.11nは、しばらく最終的な標準化作業が完了する前に製品化が始まってしまい、長い間「ドラフト2.0」の時代が続きました。あちこちに「ドラフト2.0」がちりばめられることになり、そうした記述を修正しまくりました。また随所にある携帯電話機のカット写真もフィーチャーフォンからiPhoneやAndroid端末に差し替えて見栄えにも気を配りました。「HSDPAやXGPはアクセス回線に使える?」といった疑問に答える記述では、無理やり「HSDPAやLTEはアクセス回線に使える?」と設問を変え、その回答も修正しました。

 このほかIPv4アドレス枯渇やイーサネットの高速化についても、いろいろと書き直しました。

 内容に直接関係ありませんが、表記ルールの統一にも苦労しました。例えば、日経NETWORKでは、以前は読点にコンマ「,」を使っていましたが、最近はいわゆるナミダ点「、」に切り替えました。すると、1冊のムックの中に「,」と「、」が混在することになります。手間を考え、あきらめてそのままにするという割り切り方もありますが、やはり気持ち悪いのでナミダ点に統一することにしました。

 表記ルールについては、2010年の常用漢字の改定の影響もあります。
以前は「混」が使えなかったため、「トラフィックが込む」と書いていましたが、改定によって使えるようになったため「トラフィックが混む」と書けるようになりました。そのため、昔の記事にあった「込む」を「混む」に修正する必要がでてきます。

 最も影響の大きかったのは、「宛」が使えるようになった点です。「宛先IPアドレス」「宛先MACアドレス」で頻出する漢字です。ただ、これについては、図面の中にも多数でてきてサイズにも影響するため、泣く泣く修正をあきらめました。

 ちょっと話が脱線してしまいましたが、こうした苦労の甲斐もあって、これまでになくわかりやすいネットワーク技術の解説本をつくることができたと自負しております。ぜひ手に取って眺めてください。楽しみながらネットワークへの理解が深まるはずです。

みるみるわかる!ネットワーク―イラストが楽しい!写真が豊富! (日経BPムック)

みるみるわかる!ネットワーク―イラストが楽しい!写真が豊富! (日経BPムック)
日経BP社発行
日経NETWORK編
2200円(税込)