毎秒37.5M~75Mビットという高速通信が可能なLTE(ロング・ターム・エボリューション)サービスに、携帯電話各社が本腰を入れています。

 VoLTE(ボイス・オーバーLTE、ボルテと呼ぶことが多い)は、こうしたLTEの通信網でIP(インターネット・プロトコル)電話を展開するための仕様です。

 VoLTEが注目を集めるのは、通話料金の引き下げや高音質な通話サービスを生み出す可能性を秘めているからです。固定電話ではIP電話が登場し、通話料金の引き下げが一気に進みました。一方、携帯電話では今なお従来型の回線交換方式が主流です。主に無線通信の伝送遅延の影響で、実用的な通話品質を実現するのが難しかったからです。スマートフォン用のIP電話アプリは既に存在しますが、これらは遅延が発生すると通話品質が大きく劣化します。

 遅延に配慮したLTE網で音声を流すVoLTEはこの問題が解消されるうえ、通信インフラの利用効率も高まります。携帯電話会社は設備投資コストを節約し、通話料金の値下げ余力を生み出せます。また、高速で低遅延という特徴を生かせば、既存方式よりも音質を高められます。実際に韓国SKテレコムのVoLTEサービスは、既存方式の2倍以上の音声品質を実現したとしています。

出典:日経情報ストラテジー 2013年1月 p.17
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