業務プロセスの無駄取りを進める時に検討すべき4つのステップ。排除、結合、置換、簡素化を意味する英単語の頭文字を組み合わせたもの。


 複数の帳票を作成して別の部門に手渡す作業。帳票を作るたびに自席とプリンターの間を何往復もする時間が煩わしい─。あなたがこんな状況に陥っていれば、業務プロセスの改善を検討することでしょう。

 その際、無駄に気づくことに加えて、無駄を取り除くための着眼点が求められます。そうした無駄取りの目の付けどころのうち、代表的な手法といえるのがECRSです。ECRSは主に時間に着目した生産改善手法であるIE(インダストリアル・エンジニアリング)を取り入れた製造業で広く用いられています。もちろん、製造業だけでなく、オフィスや店舗といった職場にも応用できます。

効果:検討順序が分かる

 E・C・R・Sはそれぞれ、改善の着眼点を意味する英単語の頭文字を取ったものです。E(Eliminate:排除)は「作業をやめられないか」を意味します。同様にC(Combine:結合)は「複数の作業を一緒にできないか」、R(Rearrange:置換)は「作業手順を入れ替えられないか」、S(Simplify:簡素化)は「作業をより簡単なものにできないか」を表します。

 冒頭の帳票作業を例に取ると、Eはそもそも帳票を別の部門に手渡す作業をやめられないかをまず検討します。また、Cであれば複数の種類の帳票を1回で作成できるような仕組みを作れないかを考えるといった具合です。

 ECRSは改善活動で考える順位付けにも役立ちます。改善によって得られる効果は、一般にEが最も大きく、C、R、Sの順に小さくなると言われています。例えばSの視点で業務をどれだけ簡単なものに改善したとしても、Eの視点に立って業務を不要にする改善に比べれば、効果は見劣りします。

 従って、最初にEの視点で「試しにやめてみる」といった思い切った改善案とその実現可能性を探り、それが難しい場合にはC、R、Sの順に案を考えることで、より実効性の高い改善活動になると期待できるわけです。

出典:日経情報ストラテジー 2012年10月
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