スーパーマーケットなどに買い物に来た顧客が、自分自身でレジを操作して会計を済ませる仕組みのこと。レジ係がいないため、「無人レジ」と呼ばれることもある。

 「スーパーに買い物に行って、一番不満に思うことは何ですか?」。そう質問されれば、多くの人が「レジでの会計に長時間待たされること」と答えるでしょう。ほとんどの顧客がスーパーやホームセンターなどでの長いレジ待ちにイライラした経験があり、その解消を望んでいます。

 だからといって、スーパーはレジの台数を無尽蔵に増やすことができません。レジを設置できるスペースや投資できる端末の費用には限界がありますし、台数を増やせば、その分のレジ係が必要になって、人件費が跳ね上がります。現在は人手の確保も容易ではありません。

 そこで浮上した解決策の1つが、顧客自身にレジを操作してもらって会計を済ませる「セルフレジ」の導入です。複数台あるレジの一部をセルフレジに替え、そこにはレジ係を置かずに顧客に会計処理を任せるのです。セルフレジ専用の端末を新たに設置する必要はありますが、レジ係はいらないので顧客の補佐役を除けば人件費がかかりません。既に欧米では2000年ごろから、米ウォルマート・ストアーズなどの大手スーパーでセルフレジの導入が進んでいます。

効果◆レジ待ちのストレス解消

 レジ操作に不慣れな顧客が自分で商品のバーコードをスキャンして、レジに現金を投入し、お釣りとレシートを受け取って帰るとなると、顧客にとってはかえって会計が遅くなるようにも思えます。ですが、一度操作を覚えてしまえば、買い物点数が少ない時などは逆に処理が早くなることがあります。

 ただし、セルフレジの導入には大きなハードルがあるのも事実です。故意にしろ間違いにしろ、顧客が買った商品をスキャンせずに会計を済ませようとする場面が必ず想定されます。こうした不正やミスを防ぐため、かごの総重量を計測して、スキャンした商品の重量と照合する不正防止機能も開発されています。

 もう1つ、トラブルの元になりがちな現金処理を顧客任せにしてよいのかという議論が残ります。この点については電子マネーによる決済が始まるなど、顧客が現金を扱わずに済む環境が整えられていくでしょう。

事例◆イオンの新店に導入続く

 イオンは2003年から一部の店舗に数台のセルフレジを導入し、実験を繰り返してきました。現在も新店ができるとセルフレジを設置して顧客の反応を観察しています。イオンを含め、日本での本格的な普及はまだ先ですが、顧客自身がガソリンを入れるセルフスタンドが国内で浸透し始めたように、セルフレジも少しずつ広がっていくと考えられます。

出典:日経情報ストラテジー 2007年10月号 23ページより
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