写真●ヤンセン ファーマが導入した社内SNS
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 米ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下の製薬会社であるヤンセン ファーマ(東京都千代田区)は2009年8月から、全従業員を対象にした社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「ヤンセンズ・ソーシャル・ネットワーク・サービス」を稼働させた。当初は東京本社に勤務する約600人が対象だが、半年間の試験運用を経て、全国の営業拠点に勤務するMR(医薬情報担当者)や静岡県にある工場勤務者も含めた約2000人が使えるようにする。

 中途採用者が多く各地に点在するMR同士が気軽に交流できるようにすることが狙いだ。「中途採用のMRはすぐに営業拠点に配属されるので、“ヤンセンの一員だ”という意識を持ちにくい。多忙なMRを集めた集合研修も開催しにくいため、SNSを活用することにした」(ビジョン推進部の川口眞由美氏)という。

 ヤンセンの社内SNSは、一般向けSNS「mixi」などと同様に、自己紹介や日記、友達とのリンクなどの機能を備える。既に野球や華道などの社内サークルのコミュニティーが立ち上がり、「仏像について語る会」など社内SNS独自のコミュニティーも盛り上がっている。

 今後MRが参加した時点で、「同期会」「○○県人会」などのコミュニティーを立ち上げて遠隔地の人同士が交流できるようにする。趣味の情報だけではなく、「医師にこういう説明の仕方をしたら納得してもらえた」「自分が患者の立場になった時に、薬についてこんなことを感じた」といった、ちょっとした営業ノウハウや気づきなどの情報の共有を促す方針だ。

 業務上全員が知っておかなければならない全社告知や顧客情報などのフォーマルな情報の共有には、従来からあるイントラネットの掲示板を活用する。「ちょっとした気づきは掲示板には書き込みにくく、従来は社内で共有しづらかった」(川口氏)。こうしたイントラネット掲示板では網羅できない情報の共有手段として社内SNSを活用する。

 システムにはガイアックスのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型SNS「エアリーオフィス」を採用した。同種の企業向けSNSツールはほかにもあるが、SNSへの書き込み内容を24時間体制でチェックするサービスが決め手になった。ヤンセンのインフォメーションテクノロジー本部情報システム部コマーシャルITグループの大塚亜美氏は、「書き込む内容は基本的に自由だが、研究・開発途上の新製品情報など共有するべきではない情報が書き込まれた場合は即時に対応する体制にした」と説明する。