東京都調布市は、携帯電話の操作で税金を納付できるようにする「モバイルレジ」を採用し、平成21年度の軽自動車税の納付からサービスを開始した(写真1)。広く普及した携帯電話を使って納税できるようにすることで、納税者の利便性を高めることがな目的だ。システムは2009年5月から稼働し、同月8日に発送した軽自動車税の納付書からモバイルレジでの納付に対応した。

写真1●調布市が軽自動車税の納付で採用した「モバイルレジ」
携帯電話の専用アプリケーションを使い、納付書のバーコードを読み取ってからモバイルバンキングによる決済を行う
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オンラインの税納付に道を付ける

 調布市が携帯電話を使った納税方法の導入の検討を始めたのは2008年のこと。モバイルバンキングやインターネットバンキングで納税をしたいという市民の声が、この2年ほどで高まってきていたからだ。その中でも「パソコンを起動するよりも手軽に使える、携帯電話の利便性に着目した」(調布市 市民部納税課 課長の小林正雄さん、写真2)。

写真2●調布市市民部納税課の小林 正雄課長(右)と納税係の岡本 広美主査
写真2●調布市市民部納税課の小林 正雄課長(右)と納税係の岡本 広美主査
 その背景には、調布市が2007年に固定資産税や軽自動車税をコンビニエンスストアで収納できるようにしたことがある。納付書にバーコードを印刷し、これをコンビニエンスストアのレジで読み取って徴税を代行してもらうもので、NTTデータが提供する「コンビニ収納代行サービス」を採用した。すでに納付書にはバーコードが印刷されているので、これを携帯電話のカメラで読み取って納税できるようにしようと検討を始めたわけだ。

 携帯電話による税金の納付は、新たなシステムを構築して対応するのではなく、コンビニ収納代行サービスの延長線上に位置づけた。コンビニ収納代行サービスを提供するNTTデータは、携帯電話向けの料金支払いサービスとして「モバイルレジ」を提供していた。これを利用すると、調布市側のシステムにほとんど手を入れなくてもいいことが分かった。そこで2009年の年明けから、NTTデータとサービス提供に向けた具体的な作業を進めた。

バーコードを読み込みモバイルバンキングで支払い

 ここで、モバイルレジの仕組みを整理しておこう。モバイルレジは、税金の納付書や通信販売の支払い伝票などに印刷されたバーコードを携帯電話で読み取って、モバイルバンキングで決済させるサービスである。エンドユーザーが使う携帯電話には、あらかじめモバイルレジ専用のアプリケーションをインストールしてもらう。このアプリケーション上の操作で、内蔵カメラによるバーコードの読み取りや、NTTデータのモバイルレジセンタとのやり取りを行う。エンドユーザーは、バーコードを読み取って表示される支払金額を確認した上で、モバイルバンキングを使う金融機関を選択して決済すればいい。

 調布市では、この仕組みを軽自動車税の納付に適用した。市民は納付書に印刷したバーコードを携帯電話で読み取り、携帯アプリを操作するだけで納付が完了する。利用できる携帯電話はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの各社のもので、合計で約200機種。これで「現在利用されている約90%の携帯電話がカバーできる」(市民部納税課納税係 主査の岡本広美さん)という。

 モバイルレジの収納データは、コンビニ収納代行サービスの収納データと合わせてNTTデータから調布市に渡される。市側では、これを基に請求マスターから消し込んでいく。コンビニ収納代行サービスと同じNTTデータのサービスを採用したため、モバイルレジを導入しても、印刷する納付書のフォーマットや市側のシステムは基本的には変更する必要がなかった。