Linuxの創始者、リーナス・トーバルズ氏へのインタビューの最終回。雑誌に掲載しきれなかったトーバルズ氏の言葉をお届けする。マイクロソフトに対する見方,Googleに対する考え方,コマーシャルとオープンソースに関する思想を尋ねた。「コマーシャルとオープンソースが対立するものではなく,互いに補完しあえるもの」とトーバルズ氏は語る。(聞き手は谷島宣之=日経コンピュータ編集長、中井奨=日経コンピュータ編集、高橋信頼=ITpro編集)

<<第4回へ<<

読者からの質問なのですが,マイクロソフトからコンタクトされたことはありますか。

 我々(コミュニティ)へは何度かコンタクトがありますが,私自身へのコンタクトはそれほどありません。

Linuxコミュニティとマイクロソフトは一緒に仕事をしている

 一例をあげれば,マイクロソフトは現在,実際に仮想環境でのLinux向けドライバ・ソフトを作り始めています。それらは我々のカーネル空間内にあります。実際に我々(マイクロソフトとLinuxコミュニティ)は共同で仕事をしています。

 マイクロソフトとずっと関係していたプロジェクトは,カーネルプロジェクトでなく(Linux/UNIX上でWindows互換の)ファイル・サーバーとプリント・サーバーを実装するSambaプロジェクトでした。彼らは,実はマイクロソフトとかなり密接に仕事をしていました。

 彼らは常に仲が良いというわけではなかった。また彼ら(Sambaプロジェクト)はヨーロッパでのマイクロソフトに対する訴訟にも関わったりもしました。しかし,彼らは互いにまったく交流のない別々のチームではありません。

マイクロソフトはもっと技術情報を公開すべきだと思いますか?

 Linuxカーネル関してはそういった問題はありません。

 しかしSambaは,文書にされていないプロトコルに関する多くの問題を抱えていました。マイクロソフトのコンピュータとの通信に関して,Sambaプロジェクトの人々はマイクロソフトとコミュニケーションする必要がありました。

 情報公開は改善してきており,多くのドキュメンテーションがSambaチームに公開されるようになってきました。ドキュメンテーションのいくつかの品質は,あまりよくありません。しかし,私は事態は改善してきていると信じています。また前述のように,Linuxカーネルに関してはマイクロソフトの情報は必要ありませんでした。