日本には「システムエンジニア」あるいは「SE」と呼ぶ不思議な職種がある。どうやら「SIer」と同様に、日本以外では通用しない和製英語らしい。だから日本独自の職種であることは確かだ。でも、いったい何をする人のことなのだろう。

 実は、私は長い間、このSEが何者なのかよく分からず、途方に暮れていた。だって、そうだろう。システム開発に関わる人と言えば、システムアーキテクトやプログラマー、プロジェクトマネジャーといった職種の人たちだ。そして彼らが何をする人なのかは、その名称を見れば容易に分かる。

 では、SEはどうか。システム開発における個々の役割からは、SEという職種の定義は出てこない。試しに、経済産業省が定めるITSS(ITスキル標準)をみても、アーキテクトやプロマネなどの職種あるいは人材像は記載されているが、SEに関する記載は無い。当然、SEに求められる役割やスキルも分からない。

 そんなわけで、私は「SEさん、あなたは誰」と思い悩んでいたのだが、あるとき突然ひらめいた。そうか、SEって「何でも屋」なんだ! つまり、システム開発における「総合職」である。アーキテクトもやれば、プログラマーもやるし、何でもやる。終身雇用を旨とする日本企業の風土に極めてマッチした職種なのだ。

 だからSEという職種の技術者は、当たり前のようにプロマネの仕事も担う。でも実は、プロマネは“技術者の仕事”ではない。技術者ならプロマネをやってはいけないのだ。そんなことを言うと、皆一様に「えっ!」という顔をする。そんな反応が返ってくるほど、「何でも屋」あるいは「総合職」としてのSEの仕事の幅は広いわけだ。

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