「iOS 8」に「OS X Yosemite」の発表、各種開発環境の充実と、非常に充実した内容となった今回のアップル「WWDC2014」。新製品の発表が一切なかったことで、失望を感じた人がいるかもしれないが、子細に見ていくと、今年後半に向けた新製品のヒントがたくさん散りばめられていることが分かる。国内最強のアップルウオッチャー、MACお宝鑑定団のDANBO氏に、WWDC2014の“裏”を読み解いてもらった。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルからスピンアウトしたニュースサイト「AllThingsD」の面々が新たに立ち上げたITメディアサイト「Re/code」。そのRe/codeが開催した「Code Conference 2014」(2014年5月29日)において、アップルのインターネットソフトウエア&サービス担当のエディ・キュー上級副社長は、「今年後半、25年間自分が見てきた中で最高の製品ラインアップを用意している」と語った。

写真1●「Code Conference 2014」に、買収したビーツ・ミュージックのジミー・アイオヴィン氏(写真右端)と登場したアップルのエディ・キュー上級副社長(右から2人目)は、「今年後半、25年間自分が見てきた中で最高の製品ラインアップを用意している」と語った(「Re/code」のサイトより)。
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 その直後、米国時間の6月2日に開催されたアップルの開発者会議「WWDC2014」では、「OS X Yosemite」と「iOS 8」を発表した。ハードウエアを動かすための基本OSは、常に進化し続け、必ず以前よりも良いものになるよう開発されており、エディ・キュー氏がいう「今年の後半」の最初に出てくる最高の製品のうちの2つだとみなすことができる。

 ただ、今年の後半とは「6カ月」もあるわけで、1回ですべてを説明する必要はなく、また、1回の中ですべてを期待するのは欲張りだとも言える。

 2007年に開催された「D5 Conference」では、スティーブ・ジョブズ氏とビル・ゲイツ氏の両名がそろってのカンファレンス「ALL THINGS DIGITAL Bill Gates and Steve Jobs at D5」が開催された。その中で、スティーブ・ジョブズ氏は「アップルは結局のところソフトウエアの会社。iPodもソフトウエアが重要で、MacはOS X、iPhoneもソフトウエアが重要」と語っている。

 今のアップルは、プロ向けのソフトウエアを除き、OSや自社アプリケーションなどは無料で提供しており、これらが新しく提供されたとしても、パッケージビジネスのような感じで利益が上がるわけではない。実際に売り上げが期待できるのはハードウエアの発表であり、それがなかったWWDC2014では、売り上げへの期待感が薄れ、株価が下がるのも致し方がない。しかし、その後すぐに株価は上昇し、WWDC2014開催時よりも高値となっている。

写真2●6月2日の基調講演直後、いったんは下がった株価もその後回復、WWDC開催前よりも高値を付けている。
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