サイバー攻撃の背景や政府の対策、法制度の対応状況など、サイバーセキュリティ全般について様々な切り口から分析・解説した書。企業におけるリスク管理や対策の考え方なども紹介するが、いわゆる対策本ではない。サイバーセキュリティを“学問”のように捉え、体系的に解説を試みた珍しい書籍という印象である。

 切り口は多いが、個々の説明は最新動向やポイントをしっかりと押さえてあり、現状を手っ取り早く把握できるのが特徴。例えば攻撃の実態に関する解説では、直近だけでなく過去の事例を踏まえて傾向の変化が分かるため、興味深く読める。海外動向や法制度の対応状況に関する解説も、見落としてしまいがちな事象を網羅的に取り上げているので便利である。技術的な説明は控え目で丁寧に書かれており、初心者でも理解できる。第7章で全体を総括しており、ここからから読み始めてもよいだろう。

サイバーセキュリティ


サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティと経営戦略研究会 著
NTT出版発行
2592円(税込)

出典:日経コミュニケーション 2014年4月号 p.77
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。