情報システム子会社をどうするのか─。この古くからある課題に、システム子会社を持つ多くのユーザー企業は結論を出さなければならない時期に差し掛かっている。

 こう書くと「またフルアウトソーシングの勧めか」と受け取られそうだが少し違う。フルアウトソーシングだけでなく、逆にシステム子会社を本社に戻すことも検討する必要が出てきているのだ。実際、インキ世界最大手のDICは2012年にシステム子会社を吸収している(関連記事:【CIOが語る次のIT】グローバル経営に向けシステム子会社を吸収)。ある物流大手もシステム子会社の開発機能を本社に戻すことを検討中だ。

 かつてユーザー企業がシステム子会社を設立した主な理由は、身も蓋も無く言えば、余剰人員対策だった。コンピュータの導入期には、開発すべき案件が山積する、いわゆるバックログ問題を抱えていたために、大企業を中心に大量の技術者を雇用した。だが、システム開発が進んでバックログが解消したことで、技術者が余剰になった。そこでユーザー企業は、システム企画機能だけを本社に残し、情報システム部門を外部に切り出した。

 そうしたシステム子会社の中には、親会社向けの仕事が少なくなる分を取り戻すべく、他のユーザー企業への“外販”に乗り出すところもあった。このような経緯で、ITベンダーへと変貌したシステム子会社は数多い。

 一方で、親会社やグループ会社の業務のみを手がけるシステム子会社も多数あった。こうしたシステム子会社では、賃金体系の変更などで人件費の抑制を図るが、抜本的なコスト削減にはつながらない。しかも、業務がシステム運用中心になったことによる開発力の衰えも座視できない問題となった。

 その解決策がITベンダーへのシステム子会社の売却、つまりフルアウトソーシングだった。システム子会社を手放しても、技術力のあるITベンダーにシステムの責任を持ってもらえるうえに、コスト削減を図れる。このため1990年代から2000年代を通じて大型のフルアウトソーシングが相次いだ。

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