アラン・ケイは、1972年当初に未来のパーソナルコンピュータDynaBookについて、具体的な姿を提示している。表示装置に求める性能のほか、キーボードやファイル記憶装置について言及しているが、現在のタッチパネルやアイコンの原型となるイメージを提案している。一方、ファイル記憶装置の技術については磁性酸化物が前提となっている点など、当時と現在の差異も見えている。(ITpro編集部)


表示装置

DynaBookのプロトタイプを持つアラン・ケイ(2008年11月5日) "Alan Kay and the prototype of Dynabook,pt.2" by Marcin Wichary is licensed under CC BY 2.0
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 プラズマパネルなどのフラットパネル表示装置や外部CRTへの接続は、そのサイズによって決まります。電力消費の関係上プラズマパネルは使用できない(これは、表示に5アンペア必要です)上に、外部CRTは「どこでも使用できる」とは言えません。では、何が残されているでしょう?私たちには、表示変更時のみ電力を消費して、それ以外のときには電力を使わない、つまり、環境光の下で読めるなんらかの技術が必要です。位相変化型液晶(16)をx-y座標に並べたものを低電力電場で透明および不透明に変化させることができます。また、この表示装置は非常にわずかな電力で表示内容を保持できます。電極の幅は1ミリ程度、512×512の画素を変更するのに0.5ワット以下ですみます(注:512×512画像はまだ実現されていませんが、現時点での目安です)。通常(画面を)見る距離で書籍と同等品質の文字を表示するには、私たちの研究室で最近実現された文字生成技術を利用する必要があります(15)。私たちは印刷品質表示CRTを伴う内部研究用端末を実現するために、「ロード可能な」文字生成ソフトを試験的に作成しました。ASCIIテキストをリアルタイムに画像変換するために、32×32のビットマトリクスで表現できる128文字のフォントを、高速バイポーラメモリーに動的ロードできます。フォントの大きさ、太さ、下線などのオーバーレイ文字といった装飾も提供されます。ここに示した写真は、縦方向解像度875本の画面を撮影したもので、修正はしていません。

図1●「Bodoni風」フォント (19)
図3●「Lydian Cursive 風」フォント (19)
図2●「Times Roman風」フォント (19)
図4●「Times Roman風」フォントで書かれた擬似Algolコード (19)
[図1~図3では、「ミケランジェロの生涯-苦悩と歓喜」から、それぞれ異なるフォントを使用した3枚のテキストの写真を掲載しています。]

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