iPodで携帯音楽プレーヤー、iPhoneで携帯電話、そしてiPadでPCを再定義したアップルが、ついに巨大市場である自動車分野にターゲットを定めた。「CarPlay」と名付けられたiOSベースの車載システムは、一体何を狙ったものなのか。ユーザーにどんな利便性をもたらしてくれるのか。そして、採用を表明している自動車メーカー側の思惑は? 「ジュネーブモーターショー2014」に併せて発表されたCarPlayの詳細について、自動車ジャーナリスト川端由美氏に現地からレポートしてもらった。(編集部)

フェラーリの発表会で印象づけたアップルの厚遇ぶり

 自動車の世界ではカリスマ的な存在であるフェラーリのルカ・ディ・モンテゼーモロ会長による紹介で、同社・社長のアメデオ・フェリーザ氏と共にアップルのiPhoneおよびiOSプロダクト・マーケティング担当副社長であるグレッグ・ジョズィアック氏が壇上に上がったーー自動車業界に身を置く身としては、ただただ驚く光景だ(図1)。

 というのも、フェラーリの記者発表の壇上に、同社と深い関係を持つピニンファリーナ(自動車のボディーをデザイン並びに製造するイタリア最大のカロッツェリア)一門以外が上がるのは極めて異例だからだ。母国イタリアで開かれていたトリノ・ショーが衰退して以降、隣国スイスで開催されるジュネーブモーターショーはフェラーリにとって”地元のモーターショー”に当たる。F1グランプリに軸足を置くフェラーリとしては、3月中旬のF1初戦前に当たることもジュネーブモーターショーに注力する理由だ。

図1●「ジュネーブ・モーターショー2014」の初日、フェラーリのプレス会見において、同社のルカ・ディ・モンテゼーモロ会長(右端)による紹介で、同社・社長のアメデオ・フェリーザ氏(左)と米アップルのグレッグ・ジョズィアック副社長(中央)が並んで登場。
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