前回、AKB48とももいろクローバーZを、戦略性の違いから読み解きはじめた。第2回はより大胆に、ITアーキテクチャの類型にそって、AKB48とももいろクローバーZを比較してみる。以前から言及されてきたようにAKB48をオープン型のアーキテクチャとしてみたとき、ももいろクローバーZにアーキテクチャと呼べるものがあるのか? 現在までの活動を読み解きながら、両グループをみていく。


2013年10月9日、「ITpro EXPO 2013」に登場したももいろクローバーZ
(撮影:後藤究)
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 『ももクロ論』(実業之日本社)では、AKBとももクロについて、それぞれのグループの構造やコンテンツ生産の構造をアーキテクチャの観点で粗描した。AKBとももクロを、製品アーキテクチャの分類に従って、モジュラー型/インテグラル型、オープン型/クローズド型に分けてみたのだ。

 モジュラー型はパソコンなどの製品にみられる構造で自律的なモジュールを組み合わせることから「組み合わせ型」とも呼ばれるものだ。パソコンのようにCPU、メモリ、HDD、ディスプレイなどそれぞれ別の企業で製造された部品が独立しながら、あるルールを順守することで全体を構成(疎結合)している製品を指す。

モジュラー型のAKBとインテグラル型のももクロ

 第1回の議論でも想像できるように、AKBのアーキテクチャはモジュラー型の特徴を多く備えている。AKBはバラバラの芸能事務所に所属するタレントを、一定のシステムのもとへ構成させ、「劇場公演」「握手会」といった、さまざまなイベントを標準化されたインタフェースとして結合している。

 このシステムの強みは、メンバー間の依存度がさほど高くなくメンバーの入れ替えに自由度があり、選抜総選挙などの結果によってさまざまにグループの構成やサブグループ、ユニットを頻繁に作り替えることができることだ。

 現在、社会インフラに関わるような大規模システムでさえモジュラー型アーキテクチャへ移行しつつあることもみても、可変性と拡張性にすぐれたモジュラー型は時代の速度に対応できるものだ。その意味で、短命だった女性アイドルの分野で、AKBがその能力をいかほど発揮するかは気になるところだ。

 AKBをモジュラー型とすれば、一方のももクロはインテグラル型といってよい構造をもっている。2011年4月の早見あかりの脱退を受けて、それまでの「ももいろクローバー」という名称に最終型を意味するであろう“Z”を付し、グループメンバーの可変と拡張を明確に拒否しているようにみえる。

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