金属素材を思いの形にする「形・夢工場」。どこかワクワクさせるそんな言葉が、社屋壁面に一際大きく描かれている会社が、産業用精密機器金属部品メーカーのキングパーツだ(写真1)。同社は1964年の創業以来、「ロストワックス鋳造」という精密鋳造技術により、高品質・短納期を実現し続け、月間3000種類以上の製品を出荷している(写真2)。全国7営業所、40人の営業員を有し、顧客の多様なQCDニーズに応えるとともに、課題解決のための各種提案・対応を行う。

写真1●キングパーツの社屋。「形・夢工場」という言葉が大きく描かれている。
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写真2●キングパーツの製品。ロストワックス鋳造という精密鋳造技術で作られている。
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 そのような同社も景気後退の影響を受けてきた。低価格化の要請が増加するとともに、受注件数は大幅かつ加速度的に低減していったという。この大きな変化に対処するには、受注・製造指示・製造・物流・販売・在庫管理すべてにわたって業務プロセスを見直し、極力無駄を省き、効率良く生産するための経営改革を推進する必要があった。同社は、設備の増強・システム改造といった場当たり的かつ局所的な施策ではなく、事業の本来あるべき姿を極限まで追究・実現することを目指す。

 この重要な経営改革の推進責任者に任命されたのが、専務取締役の高橋大治氏である。停滞した現状に危機感を抱いた高橋氏は、まず業務プロセスの再構築と原価管理の見直しに着手する。同氏は自ら現場を巡回し、課題をすべてノートに書き留めた。その数は300項目以上に上ったという。それらを体系的に整理し、同社のあるべき姿を思い描き、実現に向けて思案を始めた。

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